観光庁、訪日客対応病院320施設を選定、利用ガイドも
観光庁はこのほど、訪日外国人旅行者の受け入れが可能な医療機関として全国の320施設を選定した。「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」に基づく、訪日旅行者の受入環境整備の一環として実施したもの。年中無休で救急患者を受け入れていること、救急科・内科・外科・小児科を含む複数の診療科を有すること、少なくとも英語による診療が可能であることの3つの要件をもとに各都道府県が選定し、日本政府観光局(JNTO)の英語版のウェブサイトに掲載した。観光庁では16年度以降も各都道府県での選定を踏まえて、リストの拡充をはかるという。
同庁は日本医師会などの監修のもと、外国人旅行者が日本滞在中に怪我や病気をした際に役立つ医療機関の利用ガイドも作成。医療機関へのかかり方や注意事項、症状などを説明するための「指差し会話シート」などを収録した。ガイドはJNTOのウェブサイトに掲載しており、今後は全国の観光案内所や宿泊施設、医療機関、地方自治体などに配布する予定だ。
さらに、このほど民間の損害保険会社が、外国人旅行者が日本到着後に加入できる損害保険の販売を開始したことを受け、保険加入促進のためのプロモーションも実施する。医療機関での医療費の未払いを防ぐため、紙媒体やソーシャルメディアを通じて保険への加入を促すほか、観光案内所や宿泊施設、地方自地体などへの周知もはかる。
また、訪日外国人旅行者の増加に伴い、今後も怪我や病気などのトラブルが増えることが想定されることから、観光庁や地方運輸局の観光部などに自治体向けの「安心・安全対応相談窓口」を設置。全国を10のエリアに分け、エリアごとの担当者を置いた。自治体の観光関連部署などから他地域の事例や他省庁の制度などの照会があった際に、一元的な窓口として対応していくという。