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奈良、訪日客の滞在日数増めざし体験プラン強化、旅館連盟も発足

  • 2016年3月3日

奈良県観光局ヘッドコーディネーターの濱地伊久代氏  奈良県は訪日外国人旅行者の滞在日数の増加をめざし、奈良ならではの体験プランを増強した。このほど開催されたラグジュアリー・トラベル専門の商談会「ILTM (International Luxury Travel Market) JAPAN」の記者会見で、奈良県観光局ヘッドコーディネーターの濱地伊久代氏は、奈良は日帰りでの訪問が多く、平均滞在日数は1泊程度にとどまっていることを説明。体験プランをアピールすることで「今後は2泊から3泊に拡大したい」と意気込みを示した。

 記者会見では、濱地氏が体験プランの詳細を紹介。例えば生駒郡平群町の志貴山にある朝護孫子寺で、護摩焚きと大般若経の転読を見学できるプランを用意した。さらに、「相撲発祥の地」である葛城市での相撲体験や、吉野の森で森林浴などをおこなう「フォレストセラピー」など、訪日外国人向けの体験素材を新たに設けた。いずれも旅行会社などからのリクエストを受けて、手配などをおこなう。

 濱地氏はそのほか、5月1日に正式に発足予定の奈良県北部の宿泊施設6軒による「RYOKAN & HOTEL SELECTION NARA」を紹介。旅館やホテル、町家、茅葺き屋根の貸切別荘宿などがグループに参画しており、富裕層向けに高品質なサービスを提供していくという。また、2泊以上の宿泊者を対象に、宿泊施設での料理教室や高野山を訪問するプランなど、各宿泊施設の独自のプランも用意する。

 濱地氏によれば、2015年に奈良県を訪問した訪日外国人旅行者数は65万人で、中国、台湾、韓国が上位3位を占める。同氏は「奈良には欧米の観光客に適した文化的な観光資源が多い」と語り、ILTMへの参加により、欧米からの誘客をはかりたい考えを述べた。