TrustYou、口コミの有効活用をアピール、「戦略的に管理を」
ホテルの口コミ情報や評価スコアの収集、分析、管理をなどをおこなうシステムを運営するTrustYouはこのほど、オータパブリケイションズ「週刊ホテルレストラン」などが主催した合同セミナーで、レピュテーションマネージメント(口コミ管理)に関するプレゼンテーションをおこなった。同社日本代表の下嶋一義氏は初めに、「TrustYouの調査では旅行者の95%が、宿泊施設の予約をする前に5件から7件程度の口コミ情報を読んでいる」と説明した上で「同価格帯のホテルであれば、口コミの評価が高いホテルの方が3.9倍以上の確率で予約される」と述べ、口コミ情報の重要性を強調した。
下嶋氏は「口コミ評価が高いホテルに対しては、76%の旅行者が表示額よりも少し多めにお金を払ってもかまわないと考える傾向がある」とも述べ、口コミが予約だけではなく価格設定などにも影響を与える旨を解説。その上で同社が提供している口コミ管理ツールの「TrustYou Analytics」や「TrustYou Meta-Review」などについて紹介した。日本では現在、約150施設で利用されており、2018年末までに3000施設への導入をめざすという。
そのうち「TrustYou Analytics」は、さまざまなOTAや比較検索サイトの口コミの指標をさまざまな角度から分析して管理するもので、例えば「総合スコア」では、各OTAでことなるホテルの評価基準をTrustYouが同一の基準に変換して表示し、比較できるようにする。あわせて、旅行後にOTAに投稿された利用者の口コミ情報に対し、各ホテルが何らかの応答をした割合を示す「返信率」なども表示。下嶋氏は「海外ホテルチェーンなどでは、48時間または72時間以内に返信するルールを設定している。ネガティブな口コミについては早急に返信することはもちろん、支配人クラスが対応している」と述べ、ホテルの好感度や信頼感につながる返信率の重要性を強調した。ちなみに日本のホテルの返信率については、平均して30%に満たないという。
そのほかには、複数のOTAや比較検索サイトにおける特定のホテルの口コミ情報やスコアを独自で集計し、総合的な評価をまとめる「TrustYou Meta-Review」、ホテルが実施するアンケート調査を作成し、宿泊者が回答した内容をグーグルに提供し、検索順位の変動を促す「TrustYou Stars」などツールについても紹介。下嶋氏は「口コミ情報を管理して購買に影響を与えることを、いかに戦略的におこなうかが重要」と出席者に呼びかけ、プレゼンテーションを締めくくった。