旅館とホテルの5割が増収、8割が黒字に-東京商工リサーチ調査
東京商工リサーチ(TSR)がこのほど実施した「旅館・ホテル1569社 業績動向調査」で、2014年9月から15年8月までの期間に前年同期比で売上高が増加した旅館とホテルは全体の48.2%を占める757社となった。前年からは105社の減少。そのほか、約8割が純利益で黒字を計上したことなども明らかになった。同調査はTSRの企業データベースのなかから、主業種が「宿泊業」の「旅館・ホテル」で3期連続で売上高と利益が判明した1569社を対象としたもの。
TSRによると、売上高が増収となった企業数は前年から減少したものの、大都市圏や人気観光地では増収率が高くなったという。減収した企業は全体の15.2%となる238社、前年並みだった企業は36.6%の574社だった。
売上高別では、売上高が1億円以上5億円未満の企業が最も多く、全体の34.0%を占める533社に。次いで1億円未満が462社、10億円以上50億円未満が277社だった。前年からの伸び率で最も多かったのは「0~5%未満」で37.1%を占める582社。次いで「-5%~0%未満」が19.7%の309社、「5~10%未満」が12.7%の200社となった。なお、全社の売上高の合計は前年比3%増の2兆6405億300万円だった。
売上高を「増収」「前年並み」「減収」に分けた割合を地方別に見ると、増収の割合が最も大きかったのは近畿で64.6%。2位は関東で59.5%、3位は北海道で51.1%となった。都道府県別では沖縄県が87.0%で最も大きく、そのほかには訪日外国人旅行者の人気が高い大阪府、京都府、山梨県などが上位にランクインした。
一方、減収の割合が最も大きかったのは岩手県で80.0%。次いで、茨城県が75.0%、富山県が66.7%と続き、TSRによると大都市圏から遠く、観光資源が乏しい地域が目立ったという。
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