観光庁、地方の訪日誘客モデル形成で3都市選定、釧路など
観光庁はこのほど、訪日外国人旅行者を地方へ誘客するモデルケースを形成する取り組み「観光立国ショーケース」の対象として、釧路市、金沢市、長崎市の3都市を選定した。同事業は、地方に多くの外国人旅行者を集める観光都市を形成し、地方誘客のモデルケースを作るための取り組みで、昨年6月に閣議決定された「日本再興戦略 改訂2015」に基づくもの。昨年11月19日から約1ヶ月間にわたり対象都市を募集し、有識者委員会が全国10都市のなかから選出した。
今後は3都市における観光資源の磨き上げや受入環境の整備、情報発信の強化などについて、省庁連携による施策を優先的に投入。同事業に充当する特定の予算はないものの、2016年度予算額の上積みなどをおこなう可能性があるという。
3都市はいずれも、昨年6月に国土交通省が認定した7本の「広域観光周遊ルート」に含まれる。ただし観光庁によれば、今回の事業は「広域観光周遊ルート」との直接的な関係はなく、「ピンポイントで訪日外国人旅行者向けの観光都市を磨き上げる」ことが目的。釧路市は釧路観光コンベンション協会と阿寒観光協会まちづくり推進機構、金沢市は金沢市観光協会、長崎市は長崎国際観光コンベンション協会を母体とするDMOを、それぞれ近日中に設立して取り組みを開始する。
2014年の3都市の訪日外国人宿泊者数は、釧路市が10万3000人泊、金沢市が23万5000人泊、長崎市が21万3000人泊。