JALグ、3Qは営利と経利が過去最高-国際線訪日客は17%増
JALグループの2016年3月期第3四半期連結業績(2015年4月1日~12月31日)で、売上高は前年比0.1%増の1兆234億1200万円だった。営業利益は過去最高となる23.0%増の1700億1700万円。営業利益率は3.1ポイント増の16.6%で、営業費用は円安によるコスト増の一方で燃油費が19%減となったことなどから3.5%減の8533億円となった。経常利益は過去最高となる24.0%増の1704億7700万円。四半期純利益は20.1%増の1436億8500万円で、11年の第3四半期に次ぐ額となった。
国際線の旅客収入は前年並みの3459億9300万円。有償旅客数は4.5%増の606万6000人だった。座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は1.1%増、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は6.1%増で、座席利用率は3.7ポイント増の79.1%となった。単価は燃油サーチャージ減の影響などで4.3%減の5万7030円。イールドは5.7%減の12.0円、ユニットレベニューは1.1%減の9.5円だった。
同社によれば、北米や中国、東南アジアを中心に訪日需要が好調で、国際線における訪日客の占める割合は、昨年から5ポイント増の43%。訪日客数は17%増で、東南アジアは約3割、中国は約2割、アメリカは1割以上伸びたという。ただし中国については、10月から12月までの3ヶ月は4%増と伸びが鈍化しており、日本航空(JL)取締役専務執行役員の斉藤典和氏は、クルーズや競合他社による日中間の路線増などをその要因として挙げた。このほか、国際線では新仕様機材「SKY SUITE」が好評で、業務渡航需要が堅調に推移しているという。
一方、昨年11月のパリの同時多発テロ事件の影響については、東京/パリ線に影響が出たと説明。利用率は、テロ発生前までは80%だったが、12月は3割減の50%まで減少したという。同氏は今後の需要動向については、5月頃に業務需要が、8月頃にはレジャー需要が回復するとの見通しを示した。1月12日から運休中の成田/パリ線については、3月16日から運航を再開する予定。
国内線の旅客収入は3.0%増の3841億7200万円で、有償旅客数は1.3%増の2437万7000人だった。ASKは1.1%減となった一方でRPKは1.2%増となり、座席利用率は1.5ポイント増の68.0%に。新仕様の機材「SKY NEXT」の好評などにより、単価は1.6%増の1万5759円、イールドは1.7%増の20.8円、ユニットレベニューは4.1%増の14.1円となった。
なお、10月30日に発表した通期の業績予想は変更せず、売上高は1億3470億円、営業利益は2040億円、経常利益は2020億円、純利益は1720億円を見込む。斉藤氏は売上高について、国内線の好調や燃油費の減少により「見通しより25億円上振れしている」と説明。「2040億円は必ず達成できる」と自信を示した。