外務省、旅行会社と安全対策会合、たびレジ普及に協力要請

  • 2015年12月6日

外務大臣政務官の濵地雅一氏  外務省は12月4日、11月のパリでの同時多発テロ事件の発生を踏まえて、大臣政務官の濵地雅一氏の主催による「テロ・安全対策に関する外務省トラベルエージェンシー会合」を開催した。年末年始の旅行シーズンを控え、日本人旅行者の安全対策の徹底を主要な旅行会社と航空会社の幹部に直接呼びかけるための特別会合で、あわせて同省が運営している緊急時に在外公館などから情報提供を受けられるサービス「たびレジ」と、旅行会社が保有する旅行者のデータとの連携についても協力を呼びかけた。

 冒頭で挨拶した濵地氏は、会合の目的を説明するとともに「大切なのは、テロを恐れて内向きにならないこと」と強調。旅行会社には、外務省の海外安全情報などによる正確な情報把握と「たびレジ」の登録促進に向けた協力を要請し、「安全対策を講じた上で、旅行者には有意義な海外旅行を楽しんでいただきたい」と述べた。

 会合において外務省は、11月2日に「たびレジ」と旅行会社のデータ連携のためのインターフェイスを開設したことを報告。旅行者がツアーなどを申し込む際に、希望に応じて自動的に「たびレジ」に登録できる新たな仕組みへの協力を要請した。「たびレジ」は現在、渡航者が自発的に登録する方法をとっているが、旅行会社などがデータ化した申込情報ファイルをアップロードすることで、自動登録を可能にするという。

 「たびレジ」については、すでに契約時に案内したり、配付資料にQRコードを印刷している旅行会社もあり、会合を終えた出席者はデータ連携に向けた前向きな検討を進める考えを示した。ただしシステム改修のためのコストや個人情報の取り扱いの問題があるほか、作業時のヒューマンエラー対策なども考慮する必要があることから、協力に向けては諸問題をクリアにする必要があるとの認識も示した。外務省では現在、インターフェイスに関する要望を各社から受けつけているところで、2015年度末までの整備完了をめざすという。

 なお、この日の会合には、旅行業界からはジェイティビー、JTBワールドバケーション、KNT-CTホールディングス、ジャルパック、東武トップツアーズ、日通旅行、日本旅行、阪急交通社、ANAセールス、 エイチ・アイ・エス、ワールド航空サービスの11社と日本旅行業協会(JATA)が参加。航空業界からは日本航空と全日空の2社が参加した。