福島県主催の「ふくしま七転び八起き観光キャラバン」が10月7日、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで開かれた。旅行会社を対象に、観光や助成金制度の説明会と交流会の二部構成で、交流会には　主催者を代表し内堀雅雄・福島県知事が出席し、来賓には田村明比古観光庁長官らを招いた。

　説明会では福島県の吾妻嘉博観光交流課長が、今年4－6月の「ふくしまデスティネーションキャンペーン（DC）」が好成績だったことを報告した。

　「前年に比べ12％の入込増にお礼申しあげます。これを来年のアフターDCにつなげたい。酒蔵ツーリズムを展開し、旅行会社に対する助成制度も充実させます。福島の観光復興は道半ばです」と一層の送客を呼びかけた。

　福島観光の現状は、特に沿岸部観光や教育旅行、インバウンドで苦戦が続く。震災前、年間70万人あった教育旅行はまだ5割にも届かない。同様にインバウンドも震災前の4割強の状況に留まっている。

　こうした状況を打開するため福島県では今年のDCに続き、2016年4－6月に全県でアフターDCを展開する。DCに向けて用意した2800の観光素材を旅行会社に提案し、あわせてバス旅行やパンフレット作成などに使える助成制度などで、旅行商品の造成を後押しする。

　アフターDCの目玉の一つが、福島県立美術館（福島市）で16年4月6日－5月8日に開催する「フェルメールとレンブラント」展。フェルメールの「水差しを持つ女」、レンブラントの「ベローナ」など日本初公開の作品も来日する。

　福島県では4月11、18日を、旅行会社向けの特別日として、旅行プラン参加者限定で開館することを決めている。展覧会を組み込んだ旅行商品の造成に期待する。

　（15／10／27）

情報提供：トラベルニュース社