9月の訪日外客数は46.7%増の161.2万人、累計は14年上回る
日本政府観光局(JNTO)によると、2015年9月の訪日外客数(推計値)は前年比46.7%増の161万2300人となり、9月として過去最高を記録した。1月から9月までの累計は48.8%増の1448万7600人で、2014年の総数の1341万3467人を上回った。
10月21日に開催した定例会見で観光庁長官の田村明比古氏は、9日時点で累計の推計値が1500万人を超えたことを報告し、「このまま特別な外的要因がなければ、1900万人に届く勢い」とコメント。また「20年に2000万人と言っていた段階から、次のステージに移るべき時期に来ている」と述べ、「新大臣(の石井啓一氏)からも『次に向けた準備を進めよう』と言っていただいている」と説明した。
JNTOによると9月はアジアを中心に休日が多く、特に中国では中秋節の休日が10月1日から7日までの国慶節に近くなり、長期休暇が取得しやすい日並びに。韓国では旧盆「秋夕」の休暇が9月26日から29日までとなり、8月の旅行のピーク期から分離したことが需要喚起につながったという。このほか、継続中のプロモーション活動、円安や消費税免税制度の拡充、航空路線の拡大、訪日ビザの取得要件の緩和、中国からのクルーズ船の寄港の急増なども増加を後押しした。
市場別では、インドネシアとロシアを除く18市場が9月単月として過去最高を記録した。伸び率が最も大きかったのは49万1200人を記録した中国で、99.6%増とほぼ倍増に。以下は香港が64.9%増、ベトナムが46.3%増、韓国が38.6%増、台湾が37.2%増と続いた。
また、9月までの累計では、韓国が285万6000人、フィリピンが18万6000人、ベトナムが13万9000人となり、2014年の総数を超えた。なお、中国は7月に、香港は8月に昨年の総数を上回っている。
10月については国慶節や、フィリピンの学校の休暇、韓国における3連休と「秋季観光週間」、日本の紅葉シーズンなどが予定されていることから、引き続き順調な増加が期待できるという。