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公取協、課徴金制度を見据え規約遵守を再強調-秋季説明会

  • 2015年9月8日

常務理事の菅原新悦氏  旅行業公正取引協議会(公取協)は9月8日、旅行会社向けに2015年の「秋季公正取引規約説明会」を開催した。説明会は公正競争規約の周知と徹底に向け、同会が毎年春と秋に実施しているもので、この日は定員に近い約400人が参加。参加者は表示規約と景品規約の基本的な理念と内容について、4時間以上にわたるプログラムを受講した。

 冒頭に挨拶した同会常務理事の菅原新悦氏は、14年11月に公布された改正景品表示法に基づき、不当表示に対する課徴金制度が16年5月までに開始されることを言及。「例えば違反行為による(1商品の)売上高が5000万円あれば、課徴金として3%の150万円を納付するよう命じられる。事業者にとっては非常に大きな損失」と説明した。

 また「今後は課徴金のことを念頭に置き、規約を遵守して適正表示に取り組んでいただきたい」と呼びかけた一方で、「適正表示をおこなっている限り、措置命令や課徴金の納付命令を受けることはない」と強調。改めて規約の遵守と周知徹底を訴えた。

客員講師の齋藤文男氏  説明会の講師を務めた同会客員講師の齋藤文男氏は「課徴金が発生するようなケースは余程の場合」との見方を示した一方、適切な手続きや契約に基づく旅行商品であっても、関連業者の違反などにより課徴金の対象となるケースは起こりうると懸念。消費者庁が、現時点では対象事例などの詳細を明らかにしていないことなども踏まえ、今後の動きを注視したいとし「公取協としては、規約の遵守を口を酸っぱくして訴え続けるしかない」と語った。

 なお、公取協では会員企業が不当表示などの違反をおこなった場合は、原則的に同会による調査をおこなった上で注意、警告、違約金徴収、除名などの措置をおこなっている。非会員企業の場合は、消費者庁や都道府県が指導や措置命令を実施。措置命令の際には社名が公表されるため、企業イメージが著しく低下する。

説明会の様子  公取協はこの日を含めて、全国の主要都市などで10回の説明会を開催する予定。8日の時点で計1800名の定員に対して1500名の参加申し込みがあり、東京の第2回説明会と大阪会場は既に定員に達しているという。