観光庁、16年度概算要求は4割増の142.6億円-地方活性に注力
▽国内観光推進のための観光地域づくり
同項目では新たに「テーマ別観光による需要創出事業」を設定し、3900万円を要求。世界遺産や日本遺産、社寺観光、酒蔵ツーリズム、アートツーリズム、メディカルツーリズムなどのテーマをフックに、国内外の観光客の全国各地への誘客をはかる。3、4種類のテーマを有識者などによる委員会で決定し、同一テーマの観光地をネットワーク化して、共通のパンフレットや周遊クーポンなどを作成する。複数の観光地域が一体となって旅行需要の創出をめざすためのモデルケースの形成を促進していく。
また、「地域資源を活用した観光地魅力創造事業」に52%増の4億4100万円を計上。地域の観光資源を世界に通用するレベルに磨き上げるため、地域資源を活かした地域づくりやDMO(Destination Marketing/Management Organization)を担う人材育成に対し支援をおこなう。また、今年度は復興枠内で実施している、東北地域の復興プロセスに応じた観光地域づくりの取り組みも支援していく。
このほか、「観光地域ブランド確立支援事業」に13%増の2億9000万円、「統計整備による観光地域づくり支援」に14%増の5億2500万円、「観光地域動向調査事業」に1%増の3800万円を計上した。
▽観光産業振興
「観光産業振興」では、「産学連携による旅館・ホテルの経営人材育成事業」として11%増の3000万円を要求。人材育成により、地域の観光振興、訪日外国人旅行者の受け入れ、宿泊施設不足に対応していく。このほか、「ユニバーサルツーリズム促進事業」として6%減の3300万円を計上した。