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ニュージーランド、多様な体験を訴求、新キャンペーンも-TRENZより

  • 2015年6月25日

21年までに海外からの訪問者数を3割増に
新キャンペーン実施、航空座席増に期待も

日本人のリピーター化に期待
多様な体験素材をアピール

雄大な自然を楽しみながらのハイキング。写真はマウントクック国立公園  今後はさらなる需要の積み増しをはかり、引き続き日本市場の2つのターゲットと位置づける、60歳以上のアクティブシニア「アクティブブーマーズ」と、20歳から35歳の若者層への誘客を強化していく。フレーザー氏は「日本人は再訪してくれるポテンシャルが高い」と語り、特にシニア層は若い頃にニュージーランドを訪問した人が多いと指摘。若者層の誘客からリピーター化に繋げたい考えだ。若者層向けにはバンジージャンプやラフティングなどの冒険的なアクティビティを訴求。一方、シニア層向けにはマッサージや、美しい自然を楽しむハイキングなど異なる体験素材をアピールし、再訪に繋げていく。

 TRENZに参加した旅行会社からも、ニュージーランドの体験素材の多様さを評価する声が聞かれた。ただし、ランドフィーの高さを課題として挙げる旅行会社もあり、「値段が高いが、プライオリティとしてアピールできる素材があるか探す必要がある」との意見があがった。

 また、シニア向けの旅行会社からは、「魅力的な体験素材でも、シニアのお客様には向かないものがある。体力面や造成しやすさを加味した体験素材を見つける必要がある」とし、そうした素材の情報提供を求める意見もあった。一方、若者層向けの商品を造成している旅行会社からは、「自然だけでは若者には響かない。どう売っていけばいいのかが課題」であるとし、例えば冬でも滝でラフティングができるといった、日本ではないダイナミックな魅力をフックにしたいとの意見も聞かれた。

新キャンペーンで多様な魅力をアピール
ロゴマークの刷新も

ロトルア博物館。1908年建造の温泉施設の建物を再利用しており、マオリの歴史や文化に加え、泥風呂などの浴槽も見学できる  TRENZでは、TNZから21年までの予測を踏まえた新キャンペーン「Every day a different journey」が発表された。今年の7月から全世界で展開を開始するもので、約2年間を費やし、ニュージーランド各地の文化や自然体験の多様な魅力を訴求する。「Everything Close」をコンセプトに、「多様な種類のアクティビティ同士が近い距離で体験できる」(フレーザー氏)利便性と、体験の豊富さをアピールしていく考えだ。

 同氏は例として、ロトルアでは温泉や間欠泉見学などの地熱地帯ならではの体験やブッシュウォーク、リュージュなどのアクティビティがあると説明。さらに、車で2時間圏内にはタウポ湖でのマス釣りやスキー、ワイトモ洞窟での土ボタル鑑賞、映画「ホビット」などのロケ地「ホビット庄」の見学など多様な種類の体験が可能とした。

TNZのフレーザー氏。右には新ロゴの版木が。TNZのブースにて 全世界的なキャンペーンとして展開するが、各市場の特性に合わせた手法で素材を打ち出していく。日本市場については、ペンギンやイルカ、アザラシなどの野生動物の魅力やフード&ワイン、文化体験などもアピールしていく。日本語の公式サイトやFacebookなどのソーシャルメディアを活用し、情報を訴求するとともに、専用の動画も作成。YouTubeなどで公開する予定だ。動画は旅行会社にも貸出しするという。

 加えて、キャンペーンの開始に合わせてロゴマークを刷新。「100% PURE NEW ZEALAND」は変更しないが、デザインを一部変更した。新ロゴは先住民マオリのアーティストがデザインしたもので、原生林の木材を削った版木を作成し、プリントしたものをスキャニングして使用する。