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アクセスランキング、米国線が上位独占、エチオピアレポートも

[総評] 今週のランキングでは、1位から3位までを日米間の航空路線に関する話題が占めました。1位が羽田発着枠の配分、2位がデルタ航空(DL)による関空/成田線の復便、3位が全日空(NH)の成田/ヒューストン線就航です。単なる偶然でしょうけれども、上位の話題が揃うことは珍しく、日米関係の深さを感じます。

 1位の羽田発着枠は昨年からもめていたもので、DLが前の冬ダイヤで羽田/シアトル線をほぼ運休したことに対し、アメリカン航空(AA)とハワイアン航空(HA)が異議を唱え、米国運輸省(DOT)が再配分の是非を検討しました。そして3月末の仮決定でDOTは、DLにシアトル線の維持を認めつつ、約束通りデイリー運航をしなかった場合はAAのロサンゼルス線に振り替えるという条件が付与されました。

 その後、この仮決定に対してHAが自社に再配分すべきと改めて主張し、DLは条件が不当だと訴えたわけですが、今回1位となった記事は、DOTがこれらの反論を退け、仮決定を正式なものとして発表したという内容です。

 はっきり言って、こういった権利の配分を巡る官民の水面下の動きのことはよく分かりませんが、少なくともDOTが明らかにしている説明は理屈が通っており、直観的にも妥当な判断ではないかと思います。

 …と、ここまで書いていてDLが羽田/シアトル線を運休し、枠を返上するという情報が飛び込んできました(リンク)。DLによるとシアトル線の「状況はかなり改善」していたものの、需要が見込めない短期間の運休も認められないなど条件が「あまりに厳しい」ことから、この決断に至ったということです。

 現在は、DLからDOTに書面を送った段階ということでさらに曲折があるかもしれませんが、このままであればDLが羽田で死守してきた発着枠は1日1便に減ることになります。羽田の日米路線は、昼間時間帯の発着枠も行方が定まっていないところですが、今回のDLの決定は、成田と羽田の棲み分けを含めた競争環境に影響を及ぼすのではないかと思われます。

 また今週は、珍しいところではエチオピアの現地レポートも4位にランクインしています。トラベルビジョンの現地レポートは、基本的にFAMツアーなどにご招待いただく形で取材することがほとんどで、どうしてもデスティネーションに偏りが出がちですので、このように新しい可能性をご紹介できることは幸いです。

 お読みいただくとご理解いただける通り、エチオピアは豊富な世界遺産など観光素材に恵まれ、その魅力は十分大きいものの、安全面や衛生面でのハードルがないとはいえません。しかし、そうであればこそ旅行会社の出番ではないでしょうか。

 筋金入りのバックパッカーでもなければ、情報が不足していて具体的、あるいは抽象的な不安があるデスティネーションを第一の選択肢とはしないでしょう。行きたくても躊躇するはずです。多少の費用がかかってしまっても、安心は金には変えられないというのが人間の心理ではないかと思います。

 売りにくいものこそ儲けを生みやすい可能性はあります。こうした記事が皆様の増益に少しでもお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年6月第3週:6月14日0時~6月19日18時)
第1位
羽田米国線、DLのシアトル線維持を正式決定、デイリー不可ならAAに(15/06/17)

第2位
デルタ、関空/成田線を再開、米国7都市に乗継可能(15/06/15)

第3位
全日空、成田/ヒューストン線就航、初便搭乗率は98%(15/06/14)

第4位
現地レポート:エチオピア、アフリカ観光の新たなデスティネーション(15/06/16)

第5位
国交省、訪日外客向け広域ルート7件を認定、助成対象に(15/06/14)

第6位
HAnavi、訪日客誘致で地域と連携強化、複数都市の共同プロモも検討(15/06/14)

第7位
夏休みの海外旅行、9月は2桁増-ハワイ、台湾、グアムが好調(15/06/18)

第8位
JAL・ANA、東京五輪の公式パートナーに-「オールジャパン」強調(15/06/15)

第9位
カナダ、好調な日本市場、関西市場に期待も―RVC2015レポート(1)(15/06/18)

第10位
ベトナム、リゾート地としての中部訴求、成田/ダナン線好調で(15/06/17)