南ア、アフリカ全体で魅力を訴求-マンデラ氏や花などの素材提案

  • 2015年6月11日

アフリカ全体の共通の魅力訴求
日本市場を引き続き重視、17年に直行便就航の可能性も

INBADAのICC会場。隣接するダーバンエキシビジョンセンターにも出展ブースが並ぶ  2015年5月9日から3日間、南アフリカのダーバンでアフリカ最大のトラベルトレードショー「INDABA(インダバ)2015」が開催された。アフリカの20ヶ国・地域から1000社が出展し、各国からバイヤーとして2000社が参加。2万9000件以上の商談がおこなわれた。また、観光大臣も参加したパネルディスカッションが開催され、南アフリカとアフリカ全体の旅行について話し合いの場ももたれた。


14年のアフリカへの外国人訪問者数は5600万人
アフリカ全土での共通テーマでアピールを

出展する各ブースに挨拶に訪れた観光大臣のハネコム氏。科学技術大臣、農業土地大臣などを歴任、来日経験もある 今年で35周年を迎えたインダバで、大臣就任後初の参加となった観光大臣のデレク・ハネコム氏は、開会式のスピーチで、旅行業が国内で150万人の雇用を生み、GDPの8.1%を占める重要産業であるだけでなく、「この国のあらゆる人々への機会と利益をもたらす産業」であるといった故ネルソン・マンデラ氏の言葉を引用し、観光産業の重要性をあらためて強調した。アフリカ全体への海外からの訪問者数は2014年に5600万人となり、2015年にはさらに3%から5%の増加を見込むという。

 さらにハネコム氏は、アフリカ20ヶ国・地域から集った大臣や関係者を前に、「人類誕生の地で、人間性追求へのストーリー」という共通の魅力がアフリカ全体で訴求できると主張。それらの足跡はアフリカ各地に残されており、南アフリカには「ダーバン近郊にアフリカ民族会議(ANC)の初代議長ジョン・デューベが設立した学校やマハトマ・ガンディーの住んだ家が、ケープタウンにはマンデラ元大統領が収監されていたロベン島もある」と例を挙げた。

メディアトークで語るハネコム氏  また、ハネコム氏はインダバ初日のパネルディスカッション「メディアトーク」の席上で「インダバはアフリカ各国の大臣が集る機会でもあり、今回、大陸間の課題は協力して解決する方向で一致した」と明らかにした。さらに、南アフリカ観光局(SAT)CEOのチュラニ・ンジマ氏もアフリカ全体をアピールすることは「各国の競争になるが、アフリカ観光全体のシェアを高めることで、各国が利益を得る」と意義を強調した。