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政府、観光立国アクション・プログラム改定、訪日消費倍増へ

  • 2015年6月8日
▽宿泊者募集サイトは「実態を把握」、IRは「検討進める」

 「先手を打っての『攻め』の受入環境整備」では、訪日外客2000万人時代の早期実現に向けて首都圏空港の機能強化を進めるとともに、那覇空港や福岡空港で滑走路増設事業を推進し、地域の拠点空港についても機能強化をはかる。また、出入国手続きの迅速化および円滑化など、CIQ体制の強化にも急ピッチで取り組む。そのほか、入国審査に要する時間を短縮するため、訪日外客の出発地空港におけるプレクリアランスの実現に向けて、関係省庁間で協議を進める。

 宿泊施設の供給確保に向けては、現時点で比較的余裕のある旅館と地方の宿泊施設への送客を強化。また、ゲストハウスなどその他の宿泊施設の活用にも取り組むほか、イベント開催時などに一時的に自宅を提供する場合の運用の緩和や、小規模の農林漁業民宿における特例措置の対象拡大なども実施する。インターネットを通じて宿泊者を募集する民泊サービスについては、新たなビジネス形態であることから、まずは関係省庁で実態の把握などに努めるとした。公共施設などにおける無料公衆無線LANについては、20年までに2万9000ヶ所の整備を進める。そのほか、「ムスリムおもてなしガイドブック」を発行し、関係者に配布して普及啓発をはかる。

 「外国人ビジネス客等の積極的な取り込み、質の高い観光交流」については、国際会議の参加者やVIPなどの空港での出入国手続きの迅速化をはかるため、2015年度に成田や関空の入国審査場でファストレーンの運用を開始。運用状況を踏まえつつ他の空港での早期導入についても検討する。MICEは中規模のコンベンションの受け皿を充実させるため、新たに「グローバルMICE強化都市」を4都市程度選定。インセンティブ旅行については重点市場として中国、韓国、米国、タイ、台湾、インドネシア、マレーシアを選定し、2015年の目標として70万人をめざすとした。統合型リゾート(IR)については、制度上の措置の検討を要するとして、「IR推進法案の状況や国民的な議論を踏まえ、関係省庁において検討を進める」と述べるにとどめた。

 「『リオデジャネイロ大会後』、『2020年オリンピック・パラリンピック』及び『その後』を見据えた観光振興の加速」については、外国人のオリンピック観戦に留まらず、都内や近郊地域への観光を促進する観点から「観戦チケット・IC乗車券一体化フリーパス」の検討を進める。あわせて、日本各地への訪問も促すための企画乗車券の造成にも努める。また、15年度からは「スポーツによる地域活性化推進事業」を実施し、スポーツツーリズムなどに取り組む地域スポーツコミッションなどの活動を支援する。