読者レポート:フィリピンの「新素材」、プエルト・プリンセサ
3.プエルト・プリンセサ
最終日は、プエルト・プリンセサ市内での昼食から市内観光を体験し、市内に滞在しながらプエルト・プリンセサ全体のプログラムを検討した。まずはプラザ・クアテルとイマキュレイ・コンセプション教会。教会はプエルト・プリンセサでは一番大きな教会で美しい。カソリック国であるフィリピンは、常に教会を中心として町が作られていく。その教会の道路を挟んであるのがプラザ・クアテル。プエルト・プリンセサの空港を作ったのは太平洋戦争時代の日本軍の米軍捕虜で、工事終了後に日本軍により焼殺されるという事件が起きているが、その事件の捕虜終了所跡が公園となっており、定期観光コースの1つになっている。
また、ワニの研究所「クロコダイルファーム」も訪問した。正式にはPalawan Wildlife Rescue and Conservation Centerで、れっきとした研究機関だ。国際協力機構(JICA)により設立、以後フィリピン側に移管された。ワニの研究においては世界有数レベル。他にパラワンの固有種の動物たちにも出会え、市内では一番の人気観光地のようだ。このほか、今回は時間の都合で訪問はできなかったが「イワヒグ刑務所」がある。世界的に有名な塀のない刑務所で、観光場所として開放されている。
さらに、今回は地元の人たちに人気の観光地として、「ミトラ牧場」と「ベーカーズヒル」を訪れた。ミトラ牧場は高台にあり、ホンダベイの島々を眺めることができる。ベーカーズヒルは人気のパン屋さんが消費者に感謝のつもりなのだろうか、無料で運営している憩いの公園だ。 プエルト・プリンセサでは「ワン マナロ プレイス」に宿泊した。最近のオープンしたブティック系ホテルで全46室。小さな町なので、どこのホテルに泊まっても空港とのアクセスは至近距離となる。
フィリピンでは昨今の経済成長で地方都市にも開発の波は押し寄せてきており、プエルト・プリンセサでも国際レベルのショッピングモールや洒落たレストラン、新しいホテルなども次々にオープンしてきている。ローカル色を残しつつ不自由さを感じさせない滞在が可能だ。また、現地の旅行会社もよく組織化され、オペレーションも共通化されているようで、ファムツアーの参加者からは「ある意味ハワイのような手配が可能」との声があがった。
現状、日本人旅行者が非常に少ないため、マニラのオペレーターがコンタクトする現地の旅行会社に日本語ガイドが常駐していない、という問題はあるが、全てはこれから。日系旅行会社が1社存在することも今回確認している。今回のファムツアーではツアー造成の可能性は充分認められたので、後はオペレーションをおこなう各社のやる気とルールとの調整だけではないだろうか。なお、今回のツアーの成果としてJPTCではプエルト・プリンセサの販売マニュアルを作成。今後活用していく考えだ。