観光庁が素案、今後は海外OTAに意見聴取-OTAガイドライン検討委
観光庁は2月23日、旅行取引サイト内で必要な表示ルールなどに関するガイドラインの策定に向けた「OTAガイドライン策定検討委員会」の第2回会合を開催した。終了後に記者団の取材に応えた観光産業課課長の石原大氏によると、この日はガイドラインに盛り込むべき事項について、事務局がたたき台となる素案を提示。また、3月に開催する次回会合までに、海外のOTA数社から意見聴取を実施することとした。
事務局案では、旅行取引サイトのトップページ、航空券や宿泊施設などの選択ページ、予約の詳細を確認するページ、予約完了時に送信される確認メールに記載すべき事項について提示。トップページには、事業者の概要またはワンクリックで概要を記載したページに移動できるリンクを、見つけやすい上部に掲載することを提案した。また、メールアドレスだけでなく電話番号などの連絡先や、問い合わせの際に使用できる言語などを明示することも求めた。
航空券や宿泊施設などの選択ページについては、契約先がOTAになるのか宿泊施設などになるのかを明示することや、キャンセルの仕方や条件などの具体的な説明を盛り込むことを提案した。石原氏は「現在は各社によってキャンセルの仕方が千差万別」との見方を示し、キャンセルの期限や料金に関しての記載が具体性を欠いているケースが多いと指摘。「消費者にとって分かりやすい、誤解のない表記が必要」と強調した。
予約の確認ページについては、「予約ボタンを押す前に、確認ページを出すところと出さないところがある」として、確認ページを設けていないOTAには設けることを提案。予約確認メールについては、印刷して旅行時に持参する旅行者も多いことから、メールアドレスだけでなく電話番号などの連絡先、キャンセル時などの問い合わせ先を明記することなどを求めた。
このほか事務局案では、海外OTAについては日本の旅行業法が適用されないことから、それぞれの準拠法や管轄などを分かりやすく明示することを要望。また、クレジット決済における引き落とし口座の名義などについても示すよう求めた。
出席した委員からは「あまりハードルが高くなると、海外のOTAが準拠しなくなるのでは」「負担なく受け入れてもらえる事項に数を絞るべき」との意見が挙がったという。ただし石原氏によれば、これらの事項は事務局案のなかでも主要なもので、各社の規定などにより対応に僅かな差はあったとしても、基本的には「できないことはない」と考えられるという。
なお、観光庁では次回会合までに、今回の素案の内容を踏まえて、日本に事務所を持つ海外OTA数社から意見聴取を実施する。対象は「日本でも知名度の高い2社から3社程度」となる予定。次回会合は3月第3週から第4週にかけて開催する予定で、これまでに挙がった意見や、海外OTAからの意見をもとに、取りまとめのための最終議論をおこなう。