新春トップインタビュー:ANTOR-JAPAN会長 エドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏
今年は送客に加えて組織強化にも注力
ツーウェイツーリズム促進も
中国や韓国との政治問題などにより、2014年も低迷が続いた日本の海外旅行。各国政府の日本市場への姿勢にも変化が見られるなか、日本からの送客に努める各国の観光局は今後、どのような取り組みを続けるのか。在日外国観光局協議会(ANTOR-JAPAN)で2012年から副会長を務め、2015年からは会長を務めるクロアチア観光局日本代表のエドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏に、今後の展望について聞いた。
─ANTORの2014年の活動について振り返って下さい
エドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏(以下敬称略) 一般向けに毎年開催している「Let's Go海外!」については5月に第9回を開催し、各国の観光局がブースを出展して好評を博した。また、前年に続き「トラベルカフェ」との協働による一般向けイベントを実施し、BtoBのメディアワークショップなども開催した。そのほかには、業界および一般向けの交流イベントなども計画していたが実現できなかったので、今年は何とか実行に移したいと考えている。
昨年には「JATA旅博」が、日本観光振興協会との共催で国内と訪日も含めた「ツーリズムEXPOジャパン」に生まれ変わったので、JATAとは協力関係を続けながらも、今後は「Let's Go海外!」を海外専門のイベントとして強く打ち出す必要がある。参加している国・地域数はまだ20から25ぐらいにとどまっているので、もう少し規模を大きくしたい。観光局だけではなく、携帯電話などの通信会社や、旅行バッグなどの関連商品会社などにも出展を募っていきたいと思う。
─新会長として、組織強化についての抱負は
片山 ANTORは現在、協賛企業なども含めれば70団体が加盟しているが、加盟団体数についてはさらに増やしていく。世界中の全地域にアプローチできる、海外旅行専門では最も強力な組織にしていきたい。前会長を務めていた、ベルギー観光局ワロン・ブリュッセル日本支局局長のダミアン・ドーム氏とも、常々「これまでとは違うANTORを造ろう」と話をしていた。
ANTORは1966年に設立された長い歴史をもつ団体だ。しかし日本の市場は大きく変わっているので、ANTORも変わっていかなくてはいけない。以前よりも業界内における認知度を向上させ、あわせて日本の一般消費者に海外旅行の素晴らしさを伝えていく必要がある。今後はさらに加盟団体のモチベーションを高めてネットワークを強化し、一丸となって様々な取り組みを進めるつもりだ。