新春トップインタビュー:OTOA会長 大畑貴彦氏

厳しさ続くも、JATAや行政と協力で課題解決へ
インバウンドも継続推進、まずは認知向上めざす

-先ほど現地ガイドの確保が難しいというお話がありましたが、インバウンドとアウトバウンドが両立するためには何が必要でしょうか

大畑 インバウンドは国が守っている。観光庁のウェブサイトではツーウェイツーリズムと記載されているが、国策として予算の99%がインバウンドに振り分けられ、アウトバウンドについては民間でどうぞというのはいかがなものか。任せるばかりでなくもう少し真剣に考えてほしい。

 とはいえ、社会的なムードはインバウンドで、これを覆すのは難しいし覆す必要もないだろう。それに乗じてアウトバウンドも上手くやるべきだ。

 インバウンドによるアウトバウンドへの圧迫という意味では、一番はガイドの問題。航空座席はLCCも増えているが、ホテルやバスの取り合いもある。しっかりと交通整理をしていかなければならないが、なかなかできていない。

 例えばガイド問題で、OTOAは海外でガイド向けの研修を協会の事業として実施しているが微々たるものだ。それを、全体でやっていこうと訴えたい。

 また、ツーウェイツーリズムについていえば、地方自治体が直接海外に行くケースが増えているが、予算があって、それに対して行ってアピールして、実際に旅行者が来るか来ないかは別問題になっているのではないか。

 地方への需要分散は望ましいことだ。ゴールデンルート以外が当然伸びなければならないし、そうならなければ日本のインバウンドは駄目になるだろう。アウトバウンドとまったく同じで、色々なものを組み合わせていかなければならない。ただ、地方自治体と旅行会社の思惑が全く違う。来てくれればいいかな、という感覚でいらっしゃるのではないかと私は思ってしまう。


-ツーウェイツーリズムの促進に向けたご方針をお聞かせください

大畑 日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長が6月に「三位一体」という言葉をだされて、アウトバウンド、インバウンド、国内それぞれに副会長が就いている。我々としては、国内は別にしてツーウェイそれぞれについて、色々と意見交換していかなければならないと考えており、すでにJATA側に働きかけている。

 アウトバウンドでは、日本からの出国者数は結局のところ成田と羽田が圧倒的な1位だと思うが、やはり地方の方たちに出ていただかなければならない。また、インバウンドでいえば、外国人と日本人で値頃感が違う中で、双方でピークとオフの設定をそれぞれ作っていってバランスをとる方法も今現実にある。

 こうした手法を進める中で、両国の地方の学生同士の交流なども取り組める。そうすれば需要喚起は必ず実現できる、波が起こるのではないかと思う。


-ありがとうございました