日本秘湯を守る会、創立40周年で記念式典(1) 理念継承誓う

 日本秘湯を守る会(佐藤好億会長)は12月15日、東京・上野精養軒で創立40周年記念式典を開いた。「継承と協創」をテーマにした会員によるパネルディスカッションを行ったほか、映画監督の崔洋一さん、佐藤会長が講演した。

 同会は1975年に33軒の宿で発足。会員宿に10泊すると1泊無料で宿泊できるスタンプ帳制度などで温泉ファンの人気を集め、現在は北海道から鹿児島まで179の宿泊施設が加盟している。発足当初から「旅人の心に添う、秘湯は人なり」を理念として、会合などではつねに山の宿のあり方、日本の温泉文化の継承、自然環境の保全などをテーマに意見を交換し、一貫して理念の継承に努めてきた。

 パネルディスカッションでは「目標もなく旅館を経営していたが、会と出会い目標や夢を持つことができた。日々、仲間やお客様に宿屋のあり方を教えてもらっている」「私たちは最果ての地に人に来てもらうというサービス業です。会の仲間が励みになっている」「会員に強く寄り添うところが会の魅力」などと同会への思いが語られた。

 また、今後の会や会員が継承すべきものとして「身の丈にあった商いを続けたい。そのうえで地域に貢献することを考えていきたい」「教わり、教えるのが会の伝統。OB会などで先輩に教わってきたが、今度は、次世代の会などで後輩に教える役割も担いたい」などの抱負が聞かれた。


情報提供:トラベルニュース社