トリップアドバイザー、日本での展開強化-訪日で行政と連携も
▽訪日対応強化、行政と連携も
ラウンドテーブルでは、原田氏は訪日旅行に対する取り組みを強化する方針も説明した。トリップアドバイザーでは観光庁のビジット・ジャパン(VJ)事業と連携したプロモーションを展開中。同社のデータで訪日に対する意識が高い12ヶ国・地域をターゲットに、それぞれの興味・関心に合わせた特設ウェブサイトを8月から来年2月まで提供する。
地方自治体とは連携第1号として、京都市と取り組みを実施。京都文化交流コンベンションビューローの訪日外客向けサイト「京都オフィシャルトラベルガイド」と連携し、トップページにトリップアッドバイザーのリンクを設置。また、旅行に関する様々な情報を分かりやすく図解した「トリップグラフィックス」で「京都のトリセツ」を作成した。今後は提携の深化をはかるとともに、2015年以降は他の地方自治体とも連携していきたい考えだ。
また、トリップグラフィックスでは訪日旅行でも活用できるテーマを企画し、活用を呼びかけている。例えば「旅館滞在のイロハ」では、かるた方式で滞在のコツを説明するとともに、浴衣の着方も説明。A4で印刷できるPDF版も用意し、旅館に配布しているという。
このほか、原田氏は「個人的な考え」としながらも、今後は空き部屋などをレンタルする「バケーションレンタル」について、取り扱いに向け観光庁などと積極的に議論していきたいとした。バケーションレンタルは、国家戦略特別区域内で一定の条件を満たせば展開可能だが、基本的には旅館業法で規制されている。
原田氏は、「バケーションレンタルは日本ではまだほとんど認知されておらず、注目も低い」と課題を指摘。トリップアッドバイザーとして現状では日本で展開する予定はないといい、旅館業法上の問題解決に向け「政府に重要性をきちんと伝え、注目を得る」ことで規制緩和を働きかけていく考えを示した。