中部、14年度上期は売上・利益ともに堅調-訪日増で免税店好調
中部国際空港の2014年度3月期中間期(2014年4月1日~9月30日)の連結業績で、売上高は前年比3.7%増の238億8300万円、営業利益は2.3%増の32億1100万円、経常利益は9.5%増の25億2300万円、中間純利益は25.9%減の14億8900万円となった。売上高と営業・経常利益は堅調に推移し3期連続の増加。中間純利益は前期の累損解消で法人税の支払いが増加したことなどで減少したものの、5期連続の黒字を記録した。
同社代表取締役副社長の各務正人氏は11月19日の決算発表会見で、訪日外国人旅行者の増加による商業事業の好調について説明。特に免税店の伸びが非常に大きく、「客単価は1割以上上昇している。購買力の強さを改めて感じている」と強調した。営業費用は4.0%増の206億7000万円で7億8000万円の増加したが、そのうち売上げに連動した仕入れ費用の増加が半分を占めたという。
売上高のうち空港事業は、2.3%増の130億7000万円となった。2億9000万円の増収分の内訳は、国際線が1億7000万円、国内線が5000万円、その他が5000万円。国際線の旅客数は東南アジア線を中心にネットワークを拡大した結果1.7%増の229万人となった。国内線は前年に国内LCCの就航などで大幅に拡大した需要を維持し、前年並みの277万0000人だった。
航空機発着回数については、国際線はセブパシフィック航空(5J)や香港エキスプレス(UO)などの新規路線就航、エティハド航空(EY)やチャイナエアライン(CI)の増便などがあり、6.3%増の1万7000回に増加。国内線は日本航空(JL)による釧路線の再開やスカイマーク(BC)の沖縄線の期間増便などがあったものの、1.8%減の2万9000回となった。
好調な商業事業は6.9%増の95億6000万円。一方、交通アクセス施設事業は3.7%減の12億4000万円となった。今期の売上高の約45%を空港事業以外の事業で占めたことになる。
通期の業績予想は、国際線旅客数の減少に伴う売上減が見込まれるものの、積極的な需要喚起や商業事業への注力などでカバーするとし、当初予想を据え置いた。航空旅客数については、合計の1010万人に変更はないものの、国際線は韓国線の低迷やデルタ航空(DL)のマニラ線の運休などにより470万人から450万に下方修正。国内線はジェットスター・ジャパン(GK)の熊本線就航などで540万人から560万人に上方修正した。同社によれば年間旅客数の1000万人超えは、2008年以来6年ぶりとなる。