IATA、旅行業界向け販売「新規格」のメリットアピール、DOT認可も
国際航空運送協会(IATA)事務総長兼CEOのトニー・タイラー氏は、11月18日に開催したメディア懇親会で、IATAが取り組んでいる、旅行会社経由で航空会社のプロダクトや付帯サービスを販売する際の新しい販売規格「NDC(New Distribution Capability)」のメリットを訴えた。
タイラー氏は旅行会社経由の流通チャネルについて「現在の技術はまだ旧式な部分が大きい」と課題を挙げた。一方、航空会社各社は自社サイトで最先端のテクノロジーを活用し、プロダクトや付帯サービスを画像などを活用して消費者に効果的にアピールしていると説明。航空会社はNDCを活用することにより、非直販の旅行会社経由でもプロダクトやサービスをより視認性の高い形で販売できることをメリットとした。
一方、旅行会社にとっても、プロダクトや付帯サービスを顧客の細かなニーズにより適した形で分かりやすく提案し、商品を販売することができると利点をアピール。消費者にとっても「直販の航空会社での買い方が旅行会社でできる。異なる航空会社の商品を見比べることができるようになる」といい、「全方面にメリットがある」ことを強調した。
また、GDSとの競合の可能性については、NDCは「システムではなく、通信のスタンダード」であるとし、「だれもが利用ができるスタンダードに基づき、商品やサービスの情報を流通チャネルに使える」と語った。発表した当初はGDSからの反対もあったが「この1年でGDSは考えを変えており、共に推進している」と現状を説明。一部のGDSではNDCに順守したサービスや商品を提供し始めているという。
NDCは今年上旬に米国運輸省(DOT)の認可を得ており、今後順次展開していく予定。また、10月には旅行業界向けの投資会社と協力して「イノベーション基金」を設立。NDCを活用し、航空会社や旅行会社向けの商品やサービスを提供したい企業があれば、支援していく考えだ。