日本の世界遺産集結 京都市でサミット
国内18の世界遺産が所在する自治体の首長が10月24日、京都市に集まった。京都市、日本観光振興協会らの呼びかけで初めて開催した「世界遺産サミット」で、地域連携を深めながら世界遺産を後世に継承していくとする「京都宣言」を採択した。
サミットは、世界遺産「古都京都の文化財」の登録が20周年を迎えたことを記念したもので、会場の京都国際ホテルには約500人が出席。祇園祭山鉾連合会の吉田孝次郎理事長が講演したほか、ユネスコ平和芸術家の城之内ミサさんらによるコンサートなども行われた。
17道府県26市町村の首長らによるパネルディスカッションでは、観光客誘致など世界遺産の活用と保全について意見を交わした。
今年6月に世界遺産登録された群馬県富岡市の岩井賢太郎市長は「昨年30万人だった富岡製糸場の来場者が今年1-9月で70万人を超えた。ただお金を使ってくれない。保全しながら活用していく計画をたてなければ」。白神山地を抱える青森県西目屋村の関和典村長は「世界遺産に登録された20年前は観光客が来ることだけを求めていた。今は環境や自然を学んでもらえる場所として発信している」などの声が挙がっていた。
ホスト役だった京都市の門川大作市長は「日本の世界遺産は木や土、紙でできているものが多く、必ず朽ちてしまう。創建当時の技術、哲学を継承するためにも地域連携は大切」と強調した。
このほかサミットでは、文化庁が「日本遺産」構想を持っていることや、2020年の東京五輪に向けて新幹線や地方空港を活用し世界遺産を結ぶ「新・ゴールデンルート」づくりの提案などがあった。
次回は来年、和歌山県で開催する。
情報提供:トラベルニュース社