カナダが日本特化で大型商談会-航空座席増で市場活性化に期待
朝ドラ効果で知名度向上
日本/カナダ間の座席増で取り組み強化
昨年までの「ショーケース・カナダ」に代わり、今年から日本市場に特化した商談会として新たに始まった「フォーカス・カナダ・ジャパン」。NHKの朝の連続テレビ小説や、日本/カナダ間の路線増加、新規就航の計画など市場活性化の好条件が揃い、今後の成長への期待が高いことから、カナダからのセラーは当初予想を上回る50社75名のセラーが集まった。日本人バイヤーは55社76名が参加し、各グループが州ごとに分かれたセッションを巡回。それぞれでセラーとの個別商談に臨んだ。
プリンス・エドワード島、「花子とアン」効果で知名度向上
カナダのなかでも今年最も注目を集めたのがプリンス・エドワード島(PEI)。NHKの朝の連続テレビ小説「花子とアン」の放映により、PEIの知名度も高まった。合わせて、「赤毛のアン」の巡回展を全国の百貨店で実施することで、PEIの露出を高めた。その結果、今年1月から6月のPEIへの日本人渡航者数は前年比160%増となり、「赤毛のアン」発行100周年だった2008年の同期比でも120%増の好調ぶりだ。PEI観光局日本代表の高橋由香氏は「まだまだ実数は小さいが、日本での認知度は確実に上がっている」と手応えを示す。
日本市場の活況に合わせて、PEI政府から観光大臣のロバート・ヘンダーソン氏も来日。「多くの日本人がPEIを訪れてくれたことに感謝する」と謝意を述べるとともに、さらなる日本人観光客誘致に意欲を示した。
高橋氏は、マーケットの傾向として、赤毛のアン関連に加えて、「おひとり様と男性FITが増えている」と報告。今後は、カナダ観光局(CTC)主導の新キャンペーン「カナダ・シアター」と連動しながら、体験型の旅を提案していく考えだ。また、今年9月には初めて成田/ハリファックス間のチャーター便が実現したことから、「今後もチャーター便への期待は大きい」と語った。
ブリティッシュ・コロンビア、来年の関西/バンクーバー線に期待
今年3月末に全日空(NH)の羽田/バンクーバー線が新規就航し、来年5月にはエア・カナダ・ルージュ(AC)が関空/バンクーバー線を開設する予定のブリティッシュ・コロンビア州(BC州)。現地観光業界の日本市場に対する期待も大きく、フォーカス・カナダ・ジャパンには6つの観光局を含む17のセラーが集まった。
BC州観光局日本地区マネージャーの菊地友子氏は、「都会から大自然までバラエティーに富んだ観光素材がそろうのがBC州の魅力」とアピール。現在、日本からの旅行者は春がメインとなっているが、夏のバンクーバー、秋の紅葉、冬のスキーやクリスマスなどの訴求を高め、1年を通じてBC州の販売を強化していく方針を示した。
また、BC州にとって大きなマーケットとなっている教育旅行も引き続き強化。今年11月には「教育旅行ガイド」をリニューアルする。また、MICE向けのマイクロサイトも紹介し、「パッケージの造成にも使えるので利用して欲しい」と呼びかけた。