ANAHD、14年度上期売上高は羽田効果で過去最高、各利益大幅増
ANAホールディングス(ANAHD)の2015年3月期第2四半期累計決算で、売上高は前年比9.1%増の8548億円となり、上期の過去最高記録を更新した。営業費用は事業規模の拡大に伴う燃油費などの増加により7.7%増の7968億円となったものの、営業利益は33.8%増の579億円、経常利益は50.8%増の480億円、当期純利益は78.2%増の357億円と、それぞれ大幅に増加した。
ANAHD専務取締役執行役員の殿元清司氏は決算発表会見で、今春の羽田空港の国際線発着枠の拡大について振り返り、「旅客数が予定通り増えるか、イールドが下がらないかなど懸念材料はあったが、ほぼ計画通り」と総括。「座席供給量に対して旅客輸送量が少し未達となったが、概ね順調」と評価した。発着枠増加の影響の大きさを示す具体的なデータなどは示さなかった。
航空事業は売上高が8.8%増の7422億円、営業利益は32.3%増の518億円。国際線は旅客数が13.3%増の359.1万人、旅客収入が20.0%増の2357億円だった。羽田発着枠拡大に伴い新規路線開設などを進めた中、特に長距離路線が好調に推移した。また、都心からのビジネス需要や日本各地からの乗継需要を取り込み、旅客数・旅客収入はともに前年から2桁増となった。座席供給量は22.5%増、旅客輸送量は19.5%増。利用率は72.9%と1.9%ポイント減少したが、客単価は5.9%増加した。
殿元氏は、羽田の新路線開設や増便により、中国などアジア諸国/羽田/北米間の利用客が、約33%増と大きく伸びたことを報告。成田・羽田の合計でも、外国人の利用者が2割以上増えていることをアピールし、「羽田に限らず国際線の旅客需要は非常に旺盛だった」と振り返った。
国内線の旅客数は1.4%増の2167.5万人、旅客収入は0.4%増の3458億円だった。7月の普通運賃改定や各種割引運賃の設定、夏休み期間の増便などで需要を取り込み、機材変更などで需給バランスの最適化を目指した結果、座席供給量は1.6%減、旅客輸送量は1.8%増、利用率は2.1ポイント増の63.0%となった。客単価はレジャー利用の増加により1.0%減少。整備受託収入やバニラエア(JW)からの収入などで構成される、航空事業におけるその他の収入は10.5%増の801億円だった。JWの旅客数は57万人、利用率は74.7%だった。
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