「変化こそ旅行業の魅力」、現役社員による生の声-ツーリズムEXPO

  • 2014年10月28日

JATAが就活生向けセミナー開催
業態・職種の理解でミスマッチ予防を

旅行業、大きな転換点に
業態と職種への理解でミスマッチ防止を

日本旅行広報室室長の矢嶋敏朗氏  石川氏に続いて登壇した日本旅行広報室室長の矢嶋敏朗氏は、ベテラン社員として旅行業全体の概要について解説。旅行会社という大枠の中で総合旅行会社やネット専門の旅行会社など多様な業態があることを紹介し、「業態によって求められる人材も異なり、自分の性格とやりたいことがその会社に合っているかを見極める必要がある」点を強調した。

 また、矢嶋氏も旅行会社の現状について「大きな転換点を迎えている」と指摘。旅行業界をめざす学生に対し、「旅行業の歴史や航空会社との関係をしっかり勉強すれば、その中から自分がどうしたいかのヒントが必ず出てくるはず」とアドバイスした。

 特に、志望する会社のOBやOG訪問は必ずやってもらいたいと指摘。「雰囲気だけで旅行業界に入ってきてしまうと、ミスマッチする結果に終わってしまう」ことを強く訴えた。

 また矢嶋氏は、旅行業の将来性や発展性に不安を持つ学生が多いことについても言及。「旅行業は21世紀の基幹産業」であることを強調した上で、国が観光産業政策検討会を立ち上げ、「世界最高・最先端の観光産業をめざして』と題した提言をまとめたことを例に挙げ、「旅行業についてしっかり勉強すれば、いたずらに不安になることはないだろう」と話した。

 さらに、旅行業の今後予想される方向性については、サプライヤーによる直販の拡大やネット系旅行会社の台頭により、「従来型の大手旅行会社は、現在のビジネスモデルのままでは衰退する」とし、「会社独自のビジネスモデルを明確にしないと生き残れないだろう」と現状を示した。

 矢嶋氏は、旅行業全体の概要紹介に加え、総合旅行会社の社員として求められる人材像にも言及。具体的に、(1)コミュニケーション能力のある学生、(2)「IQ」よりも「EQ」の高い学生、(3)営業力のある学生、(4)提案力のある学生--が求められるとし、「全部の能力を持っている人はなかなかいないが、何か持っている人は旅行業界に向いている」と語った。