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元東京都第3種のレックスロードが業務停止、登録抹消後も営業

  • 2014年7月23日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、東京都の元第3種旅行業のレックスロードが7月10日に事務所を閉鎖した。同社は今年1月には東京都に事業廃止届を提出し、旅行事業を廃止していたが、その後も「エイビーロード」に広告を出稿するなど無登録で営業を続けており、航空券が届かないなどの被害を受けた利用者が全国で約500名に上る模様。

 同社のホームページや事務所に掲示された貼り紙には、急な業務停止について謝罪するとともに、現在は今後の方針について検討を進めている旨が記されており、詳細については18日以降に随時、個別にメールなどで連絡するとしている。TSRの調べによれば、22日時点で同社の事務所には数十名の利用客が訪れたという。

 1987年11月に設立された同社は、1998年10月に東京都知事登録旅行業第3-4509号を取得。主にヨーロッパ方面を得意としていた。しかし昨年10月には登録期間満了に合わせて登録が抹消されており、その後は昨年12月に登録第3-6728号を取得し直したものの、今年1月には事業廃止届を提出している。その一方、現在に至るまでホームページ上では登録第3-4509号の取得を謳っており、無登録のまま「エイビーロード」に広告を出稿し続けていた。

 エイビーロードでは11日に同社を訪問し、業務の停止を確認。16日には、エイビーロード経由でレックスロードに7月以降の出発に関する空席照会をおこなった約2000名の利用者に対し、メールで同社の業務停止を報告し、支払いなどに関する注意喚起をおこなった。21日時点では、110名に航空券が手配されていない事実を確認したという。

 エイビーロードは、レックスロードの広告掲載を開始した2001年時点では、同社の登録第3-4509号取得を確認していたものの、昨年10月にレックスロードが登録を更新しなかったことについては、報告がなかったため把握していなかったと説明。今後の再発防止については、旅行業の登録状況について定期的なチェックをおこなうなど、審査体制の強化に務める考えを示した。航空券が手配されなかった110名にはメールで個別に、今後の対応に関する連絡をおこなうとともに、エイビーロードからの申し込みや入金が確認できた利用者には、航空券代金に相当する額を支払うとしている。

 日本旅行業協会(JATA)によれば、同社はJATAの正会員ではなく、1999年5月から一定期間、情報提供を受けるだけで弁済制度などの対象にはならない「協力会員」だったとのこと。JATAではホームページ上に、同社が既に旅行業を廃止していること、正会員ではないことを明記して、注意を呼びかけている。

 東京都には、レックスロードが登録を取得しているか否かについて、複数の問い合わせが寄せられた。担当課では消費者相談センターや最寄りの警察署への相談を案内するとともに、観光庁と情報面での連携を進めているという。

 また、観光庁長官の久保成人氏は7月23日の専門誌会見で、レックスロードについて言及。旅行業法違反による刑事手続について、警察と協議して検討していきたいと語った。7月23日現在、レックスロードとは連絡の取れない状況だという。

 

※訂正案内(編集部 2014年7月24日16時55分)
訂正箇所:第7段落第2文
誤:取締り所管である警察庁

正:最寄りの警察署