インタビュー:ANAセールス代表取締役社長 白水政治氏

販社として座席販売に注力
旅行会社と「信頼関係高める」

-国内と訪日についてはいかがでしょうか

白水 国内旅行については少子高齢化や北陸新幹線など悲観論が多すぎる。しかし、飛行機を使って国内旅行をする人の割合はまだ少ないと思う。これから団塊の世代が60歳を超えてシニアになってきた時に、さらに旅行していただける機会は増えるはずだ。

 訪日については、非常に低いマーケットシェアしかない。訪日は国の政策と一致するわけであって、国も2倍、3倍にする目標を掲げている。当社は母数が小さいためにもっと高い伸び率を示す方策をとらなければならないが、実際の仕組みはまだない。マニュアル的な作業でしか取れてないことが実態で、それは仕組みも含めて早急にとりかかる。


-従来型の日本の旅行会社が、これまでと同じような取り組みで訪日旅行客から利益を得るのは難しい側面もあります

白水 ANAセールスが他社と異なるのは、航空会社系であるところ。他社を含め、今は素材売りばかりで航空座席と絡めて売っているところはわずかだと思うが、我々はANAの座席を売る使命がある。まずは航空と結びつけることによって、ANA全体としての貢献度を高めていく。

 比較的うまくいっているのは、香港と台湾だけ。ここは万単位で来てくださっているが、他は百単位もしくは十単位の微々たるものだ。システムを多言語化できていないこともあり、現地パートナーに我々を選んでいただけていない。他言語化を含めて対応を進めようとしているところだ。現地パートナーについても、うまくいっていない理由を精査し見直しを含めて検討していきたい。


-流通についてのお考えをお聞かせください

白水 ダイナミックパッケージは確かに伸びてきており、特に国内線は非常に早い段階から対応してきたこともあって、非常に高い伸び率が続いている。ただ、対戦相手が増えてきているのも事実で、例えばANAじゃらんパックを立ち上げて販売も開始しており、ANAセールスとしての販売は減ってしまう。しかし、全体としては今後も増えていくだろう。それはそれでやっていけばいいし、リテールはリテールで自社商品の販売をしていけば良い。

 私は、旅行会社との関係を強くしていきたい。収益を出すためにはもちろん強くなければならないが、最近はANAとして色々なご意見をいただいている。信頼関係を高めていく努力をしていきたい。


-ありがとうございました