ANTA二階会長、周辺国との「密接な親交」会員に呼びかけ

  • 2014年6月24日

ANTA会長の二階俊博氏  全国旅行業協会(ANTA)は6月24日、都内で第50回の定時総会を開催した。冒頭で挨拶をおこなった同会会長で衆議院議員の二階俊博氏は、今月1日に日韓の文化交流を目的としてソウルで開催されたNHK交響楽団の公演が、近年の日韓関係の冷え込みにもかかわらず成功裏に終わったことを報告。「難しい問題はどちらかが一歩踏み出さないと解決しない。韓国、中国、そして東アジア全体との親交を密接にしなくては」と会員各社に呼びかけるとともに、「観光業者はその使命を帯びている」と強調した。

 同公演は、アシアナ航空(OZ)などを展開するクムホアシアナグループのクムホアシアナ文化財団と、日本国際交流基金が共同で開催したもの。日本の旅行業界からは、二階氏をはじめとする約50名が参加した。

 二階氏はそのほか、昨年度の事業を振り返り、2月に開催した「国内観光活性化フォーラムin和歌山」が1万2000人の来場者を集めて成功したことや、「東北・東日本観光復興キャンペーン」の取り組みにより、引き続き東北の復興に貢献したことなどを説明。あわせて、昨年12月の臨時国会では自らが中心となり、観光業にも資する「国土強靭化基本法」を成立させたことについても報告し、「予算面でもしっかり確保し、強靭でしなやかな国土づくりに邁進している」と述べた。

 この日の総会では、2013年度の事業報告および収支決算、2014年度の事業計画案および収支予算案を承認。同会では今年度も引き続き、国内旅行業務取扱管理者試験の事務代行事業や研修事業などに取り組むという。また、日本旅行業協会(JATA)との共催で「苦情対応セミナー」を共催し、セミナー用テキストの編集にも参画するなど、苦情・弁済事業にも注力する考え。

 なお、調査・広報事業の一環として「ツーリズムEXPOジャパン」など関係団体がおこなう事業には協力するものの、「国内観光活性化フォーラム」については今年度は開催せず、来年度から再開する予定だという。