JATA、国内宿泊キャンペーン「ねらい通りの成果」、海外からの注目も

  • 2014年6月11日

 日本旅行業協会(JATA)によると、4月から開始した、若者を中心とした国内宿泊旅行拡大キャンペーン「ニッポンを、遊びつくせ!」が順調な成果をあげている。JATA国内・訪日旅行推進部部長の興津泰則氏は6月11日の定例会見で、「初めて取り組んだプロモーションだが、ねらい通りの効果が出た」と喜びを語った。

 同キャンペーンはパフォーマンス集団「WORLD ORDER」を起用し、日本各地の観光地でのパフォーマンスをYouTubeで発信。公式サイトでは現在石川県の動画とレポートを公開しており、WORLD ORDERによるコメントも定期的に更新中だ。旅行会社と連携し社員からのお勧め情報も掲載しており、Facebookでも情報を提供している。さらに、WORLD ORDERのものまね動画、写真も募集中。6月2日現在写真投稿が10組13枚、動画投稿が1組1編あったという。

 興津氏によると、YouTube動画の再生回数は6月11日現在で5万6682回で、現在でも1日400回から500回再生されている。WORLD ORDERを起用した他のキャンペーン動画や、人気芸人を起用した観光誘客動画といった類似動画と比べても伸び率は高いとの分析で、特にJATAでは広告出稿をしないなかで一定の成果が出せた点を強調した。

 YouTube動画の国別回数は、6月2日現在の総再生回数5万3362回のうち、74%が日本で3万9327回を記録。残りの26%は海外で、米国が3159回、台湾が2430回、タイが994回、香港が940回と、訪日旅行者が多い国が上位を占めた。このほか、中国でもYouTubeから転載された動画が人気を博しているといい、外国人にもキャンペーンを告知できたとの考えだ。

 動画へのアクセスはYouTubeから82%で、このうちWORLD ORDERでの検索が60%、WORLD ORDER公式チャンネルから15%。JATAではWORLD ORDERをきっかけに新しい顧客層を開拓できているとした。

 また、公式ウェブサイトへのアクセス数は、6月2日までで1万1473アクセスで、昨年実施した「もう一泊、もう一度(ひとたび)」キャンペーンと比べると、約3倍となった。閲覧者の利用デバイスを見ると、パソコンは前年比22ポイント減の57%、スマートフォンが22ポイント増の38%。スマートフォン利用率が高い若者層のアクセスが増えたとの分析だ。

 「もう一泊、もう一度(ひとたび)」公式Facebookの動向を見ても、ファン数は3月末で2万1944人だったところ、6月2日時点で2万3665人まで増加。3月末では35歳以下のファンは全体の29.9%だったが、6月2日時点では33.1%まで増えたという。

 また、旅行会社と連携したお勧め情報の掲載では、Facebook投稿を重ねるにあたり「いいね」「シェア」数が増加しており、商品の認知促進に加え、旅行会社社員への親しみやすさも醸成されたと見る。例えば、4月14日にジャルパックが関東エリアの「わたらせ渓谷鉄道」を投稿したところ、7000人が閲覧。5月16日の日通旅行による「浅草」の投稿では3950人が閲覧した。

 今後はキャンペーン動画第2弾を7月に、第3弾を10月に公開する予定。両方共石川県をテーマにしたもので、2015年以降については全国各地域にスポットを当てた動画を公開していく考え。現在どの地域を取り上げるか、国内旅行委員会で検討中とした。