アクセスランキング、1位はANA新制服、2位はJALの国際増便意欲

[総評] 今週は、全日空(NH)と日本航空(JL)の話題が1位と2位を占めました。1位はNHが発表した新しい制服で、2位はJL執行役員・西日本地区支配人の中野星子氏が関空発着の路線拡充について意欲を示されたものです。

 NHの記事はGoogleニュースで取り上げていただいたようですから、純粋な旅行業界関係者の興味としてはJLの方が高かった可能性もありますが、それでも10年ぶり10代目、そして初の外国人デザイナーによる制服ということで、注目度の高さも納得です。

 航空会社の制服というと、おそらくかなり多くの方が紺色をイメージするのではないかと思いますが、新制服は明るめのグレーが基調です。個人的には、紺色の持つ重厚感、落ち着きといった印象が薄らいだ一方、軽み、若々しさ、柔らかさなどのイメージが強まったように感じました。新制服のテーマは挑戦、変化といったキーワードが採用されていますので、私の受けた印象はねらい通りのものでしょう。

 こういった分野の投資は、業績向上の効果がすぐに出るものではなく、そもそも目に見える形での効果も計測しにくいはずですが、一方ではブランディングの根幹に関わるもので、企業にとっては非常に重要な意味を持ちます。

 旅行会社でいえば、パンフレットの表紙デザインを変更するような話でしょうけれども、そのような大きな試みは旅行業界ではあまり見られません。例えば赤いパンフレットが銀色になる、あるいは四角いパンフレットが丸くなる、三角になるなど、荒唐無稽なアイディアを排除せず、頭を柔軟にして新しい可能性を顕在化したいものです。

 さて、2位のJLでは4月に着任されたばかりの中野氏が、関空発着の路線を国際線、国内線ともに積極的に復便していきたい考えを示されています。具体的な路線名は明らかではありませんが、欧米線、中距離アジアを念頭に置いておられ、できれば2014年度中にも発表したいとも話されました。

 勝手な想像ですが、NHが羽田で大規模な増便を実現し、従来からの国内線ネットワークと組み合わせた内際ハブ機能で勝負をかけるのに対し、JLは成田や関空、中部などを活用して成長をめざしていこうとする可能性を感じています。新路線開設を制限される中で、運休路線の復便であれば新路線に当たらないといえることもポイントなのかもしれません。

 NHは羽田の路線網を最大限活用してロードファクターを高めていく必要があり、地方発着の国際線を大きく拡大する可能性は低いでしょうから、JLが地方発着の路線を強化する動きは納得のいくものです。ただ、JLも採算性が厳しかったが故に撤退した路線であるわけですし、地方路線といっても全国津々浦々の空港から国際線を展開できるわけでもありません。

 こうした戦略の違いに消費者がどのような評価を下し、どのような結果に結びつくのか、そしてその中で旅行会社がどのような役割を果たしているのか、大変興味深く感じています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年4月第4週:4月20日0時~4月25日15時)
第1位
全日空、10年ぶり新制服、「挑戦」や「変化」テーマ(14/04/24)

第2位
日本航空、関空の国際線復活に意欲、14年度中にも発表めざす(14/04/22)

第3位
バニラ、成田/奄美大島線は年間10万人目標に-片道8000円から(14/04/23)

第4位
ピーチ、夏ダイヤで最大2088便を減便、際内計10路線対象に-機長不足で(14/04/24)

第5位
フィンエアー、「ムーミン」をイメージキャラクターに(14/04/22)

第6位
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第7位
現地レポート:韓国、ソウル&仁川の新デスティネーション(14/04/22)

第8位
JTB、USJ訪問ツアーを発売-「ハリーポッター」エリア入場確約プランも(14/04/24)

第9位
ジェットスターJ、関空を第2拠点化へ-6月から、国交省に申請(14/04/22)

第10位
第3種のチャイナトラベルネットワーク、破産開始決定(14/04/22)

第11位
JAL・ANA、GW国際線予約は12.3%増、予約率も向上(14/04/20)

第12位
近畿日本ツーリスト、次世代グローバル人材育成学校と業務提携(14/04/20)

第13位
フィリピン航空、羽田深夜便を運休、5月7日から-冬ダイヤから再開(14/04/24)

第14位
エア・カナダ、羽田/トロント線就航で特設サイト、キャンペーンも(14/04/20)

第15位
日本航空、大韓航空の日韓全便をコードシェア、24路線に(14/04/22)

第16位
女性独自の視点で業界発展へ、環境整備の課題も-JATA経営フォーラム(14/04/24)

第17位
チェジュ航空、日韓路線のタイムセール実施-4月21日まで(14/04/20)

第18位
全日空、夏の国内線6路線で増便、羽田/沖縄深夜便も(14/04/24)

第19位
ジェットスターJ、夏までに24%増便、1日最大47往復(14/04/22)

第20位
ジャルパック、家族向け商品で「お見舞金」-取消料の半額を返還(14/04/24)