プリンセス、2015年日本発着は5万人目標、適切なスケールで長期運航へ
プリンセス・クルーズは2014年4月15日、横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセス船内で記念式典を開催し、3年目となる2015年の日本発着クルーズ・プログラムを発表した。2015年は11万6000トンのダイヤモンド・プリンセス1隻の配船とし、4月29日から9月6日までの4ヶ月間に20コースを設定。2014年4月30日に販売を開始し、5万人の集客をめざす。
現在の2隻体制から供給が減少することになるが、翌16日に船内で開催したクルーズ記者会の会見で、プリンセス・クルーズ社長のジャン・スワーツ氏は「旅行会社が適切に対応できるスケール」と、需給を考慮した計画だと説明。「旅行会社と成功を享受してから、2016年にさらなる成長をしたい」と述べ、旅行会社との協調を重視する姿勢を示すとともに、市場拡大をめざすための配船であることを強調した。
カーニバル・ジャパン代表取締役の木島榮子氏も「今年の集客目標は2013年の5倍だが、急成長はできなかった。約10億円の広告投資で注目が高まったが、予約に躊躇する人がまだ多い。市場にあったキャパシティを提供していく方が適切な成長に繋がる」との認識を示した。
ただし、スワーツ氏はプリンセス・クルーズが引き続き、日本市場の高い潜在力を認めていることをアピールしており、記念式典での2015年プログラムの発表時にも「長期的な配船計画に日本市場への継続的なコミットメントが表れている」とも述べている。
▽4日間のショートクルーズ誕生、若年層・ファミリー取り込みへ
2015年のプログラムは、2013年と2014年で人気の高い沖縄・台湾クルーズと北海道・サハリンクルーズを中心に設定。ダイヤモンド・プリンセスで横浜と神戸を母港に、計20本のクルーズを運航する。そのうち6本は、釜山を含む4日間から8日間の日程で、ショートクルーズを増やしたことが2015年の特徴だ。
木島氏は「日本のクルーズ市場はまだ発展市場であり、長期休暇が取りにくい」と市場環境を説明し、「シニアに加え、若い世代や家族にアピールできる商品を提供する」とそのねらいを語った。