プリンセス、2015年日本発着は5万人目標、適切なスケールで長期運航へ

  • 2014年4月16日
▽日本を重視する理由

 

船内イベントへの関心も高い(写真は2013年サン・プリンセス日本発着クルーズでの料理実演)  プリンセス・クルーズは以前から日本市場を重視してきた。シニアが多い日本の人口構成や経済力などとの相関性はすでに認識されているところだが、スワーツ氏は日本人の気質的にもクルーズとの整合性が高いとも指摘する。

 「日本人は勉強が好きで、自然と文化を高く評価する国民性であり、サービスの良さも好む。それらの要素を提供しつつ、洋上のホテルとして移動しながら世界有数の都市を紹介するクルーズと日本の国民との整合性は明らか」と述べ、「あとは認知度を上げること。クルーズの良さが定着すれば市場は拡大していく」と語った。

 実際、2013年の日本発着クルーズで、クルーズ中に次回以降の予約をする「フューチャー・クルーズ・デスク」での申込みは、他の市場のクルーズよりも多いという。スワーツ氏は「これは日本人がクルーズに非常に高い関心があるという兆候。だからこそ潜在性が高いといえる」とし、「一度体験してもらえれば必ず満足されてもう一度、乗っていただけるし、友人や知人へのクチコミ効果もある」と期待を語った。


▽アジアに注力、マレーシア、インドネシア、ベトナムの市場取込みも

アジア地域担当シニア・ヴァイス・プレジテントのアンソニー・カウフマン氏  プリンセス・クルーズは先ごろ、新しい役職としてアジア地域担当のシニア・ヴァイス・プレジテントを設け、4月4日にアンソニー・カウフマン氏が就任した。カウフマン氏はアジア各国のセールスとマーケティングを統括し、ブランド戦略をサポートする。プリンセス・クルーズは日本をはじめ、アジアへの市場展開を強化しており、カウフマン氏によると同職の設定はプリンセスとしてのアジア市場に対するコミットメントだという。

 現在、アジア地域ではオフィスを日本、中国、シンガポール、韓国、台湾、香港の6ヶ国・地域に開設しており、日本と中国、シンガポールの3拠点でホームポート・クルーズを実施。さらにソースマーケットとして、マレーシア、インドネシア、ベトナムを取り込む計画で、その体制も組んだところ。カウフマン氏は、「アジアでの長期的な成功をめざす。そのために旅行会社や関係各所などビジネスパートナーとの協力は極めて重要で、今後もその強化に努める。アジアのクルーズ発展に貢献したい」と意欲を述べた。

 なお、スワーツ氏はアジア市場についても、ポテンシャルが高いとの認識を披露。「現在の全世界のクルーズ市場2000万人に占めるアジアの規模は極めて小さい。しかし、人口、経済力、旅行への関心度を考えると、中期的にもクルーズの市場構成は何百万人単位の規模で変わり、人口比率が反映されるだろう」と展望した。