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スイス、滞在型ツアー強化-150周年アピールも

  • 2014年3月24日

スイス政府観光局局次長の押尾雅代氏 スイス政府観光局は、滞在型ツアーの造成と販売促進を強化する方針だ。このほど開催したプレスブリーフィングでスイス政府観光局局次長の押尾雅代氏は、スイスの主なターゲットであるシニアの誘客に引き続き注力するとともに「なかでも滞在型の旅をプロモーションしていく」と意欲を示した。2013年のスイスへの日本人渡航者の延べ宿泊数は前年比3.6%減の49万1651泊。今年は2012年の50万9757泊まで回復させたい考えだ。

 押尾氏によると、1ヶ所に3、4泊連泊してスイスを満喫してもらう「滞在型」ツアーは近年増加傾向にあり、今年は16社が41商品を造成。6日間でグリンデルワルトに滞在するモノツアーから、3週間でユングフラウ、ツェルマット、サンモリッツにそれぞれ1週間ずつ滞在するツアーまで、長さはさまざま。添乗員や現地係員が同行し、ホテルやアパートメントホテルに宿泊し、オプショナルとしてハイキングなどを提供する「暮らすように体験できる、FITの自由度とパッケージツアーの安心を組み合わせたツアーが出てきている」という。

 しかし、押尾氏は滞在型の旅の認知はまだ低いと課題を指摘。そのため、観光局では販売促進のサポートをおこなっていく方針だ。さきごろ、読売新聞に「滞在型スイス旅のススメ」と題して滞在型旅行の広告を掲出したところ、良い反応が得られたといい、今後もこうした販促活動を展開していきたい考え。

 また、今年の2月6日に日本とスイスの国交樹立150周年を迎えたことにともない、150周年をフックにしたプロモーションも強化。150周年を記念し、スイス各地でオリジナルグッズのプレゼントなど特典を受けられるクーポンを昨年12月上旬に6万部用意し、5万部を旅行会社に配布した。スイスのモノツアー、またはツアー全体の8割をスイスで過ごすツアーで、ツアー特典として利用可能だ。また、同局ウェブサイトでの申し込みも受付しているという。

 このほか「日本とスイスの150周年」リーフレットも作成。昨年12月から150周年スペシャルサイトを公開しており、日本とスイス両国に関する歴史や記念イベントや特別展、キャンペーン情報なども随時掲載していく。また、消費者向けには、ゴールデンウィークから小田急グループと共同で、新宿を中心とした広告プロモーションを展開。今秋には今年125周年のレーティッシュ鉄道と姉妹鉄道の箱根登山鉄道がある箱根での実施を検討しているという。

 なお、スイスでは14年のテーマを「景観」に設定。夏のスイスの美しい山々などの景色をビジュアルで訴求していくとともに、春の里山や秋の紅葉などもアピールする。押尾氏は春の里山でのハイキングやキノコやジビエ、栗などの秋の味覚などを魅力としてあげ、春と秋の商品造成を促し、リピーター層にアプローチしていきたいと話した。