久保長官、訪日1000万人「達成可能の見込み」-11月累計、約950万人

  • 2013年12月11日

 日本政府観光局(JNTO)によると、2013年11月の訪日外客数は前年比29.5%増の83万9800人となり、11月単月として初の80万人台を記録した。1月から11月までの累計は23.9%増の949万9300人で、観光庁が目標とする1000万人までは残り50万700人。

 12月11日の定例会見で、観光庁長官の久保成人氏は「現状のまま推移すれば、1000万人は達成可能である見込み」と喜びを語った。1000万人達成の際は記念イベントをおこなう予定だという。

 久保氏は詳細な効果測定はこれからだとしながらも、円高是正による訪日旅行の割安感の浸透や東南アジアでの訪日ビザ緩和、観光庁をはじめ各地方自治体、観光関連団体のさまざまな働きかけなどが、訪日外客数の増加の要因となったとの考えを示した。

 今後は今年の訪日外客誘致策について市場ごとに効果を検証、分析。これからのプロモーション活動に活かしていく。また、ビザの緩和についてはミャンマーの緩和を引き続き働きかけていくほか「大切と思う国に対し(働きかけを)是非やっていきたい」とした。

 2014年は「観光立国実現に向けたアクションプログラム」を加速化しさらに推し進めるとともに、観光産業界や地方自治体の連携強化をはかるため、さまざまな支援をおこなっていく。久保氏は「2014年は(訪日)2000万人の高みをめざす、そのスタートの年になる」と意気込みを語った。

 なお、市場別の動向では、マレーシアが過去最高を記録したほか、中国、台湾、香港、タイ、インドネシア、ベトナム、インドが11月単月で過去最高値となった。中国は個人、団体旅行ともに回復基調が継続。東南アジアは訪日ビザ緩和の効果でタイが111.2%増の5万1200人、マレーシアが72.7%増の2万6200人などと高い伸びを示し、欧州豪も米国やフランスをはじめ堅調に推移した。一方、韓国は原発汚染問題の影響などで6.9%減の17万900人と、唯一前年を下回る結果となった。