ハワイ、160万人に向け追い込み、13年は「3本柱」順調に推移
ハワイ州観光局(HTJ)代表のエリック高畑氏が11月21日に本誌取材に応じ、2013年の日本人旅行者数の目標としてハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)から示されている160万人に向け追い込みをかける考えを示した。
日本人旅行者数は、9月までの累計で前年比3%増の112万人となっており、関連するデータなどを考慮すると155万人から158万人に着地する可能性が高いという。ただし、10月はウェディングやグループが好調に推移するなどして2桁増となり、11月にもグループの取り込みを強化。また、12月にはホノルルマラソンや年末の需要が見込め、チャーターを計画している航空会社もあることから、目標達成に向けて最後の取り込みを進めていく考えだ。
ハワイへの日本人訪問者数は2012年に前年比17%増の145万人と大きく増加しており、160万人が達成できれば約10%増と2桁増を達成することになる。9月時点では3%増に留まっているが、高畑氏は「日本人出国者数が7%減と落ち込んでいる中で、健闘している」との考え。
こうした好調さの背景には、HTJが3本柱として注力してきた「隣島」「MICE」「ファーストタイマー」の伸びがあるという。隣島では、各島のイメージやメッセージを消費者に発信したほか、旅行会社側も隣島の企画担当者を置くなど商品化と販売を強化。オンライン旅行会社も取り組むなどした結果、モロカイ島とラナイ島以外はプラス成長し、特にマウイ島は20%と大幅に増えたほか、カウアイ島も10%増となっている。
また、MICEでは、HTAが10名以上のグループも含めているが、まずはビジネス目的の旅行について、HTJとハワイ・ビジターズ・コンベンション・ビューロー(HVCB)、ハワイコンベンションセンター(HCC)が窓口を統一し、「MEET HAWAII」のブランドを設定。
一方、グループ旅行としてのMICEやファーストタイマーの取り込みには、HTJが指針として掲げている「いつか行きたいハワイから今行くハワイへ」の動機付けのため、イベントやエンターテイメント、インセンティブのサポートなどを実施。例えば、ファッションや駅伝と音楽のイベントを開催し、20代後半から40代前半の旅行需要を獲得できたという。
2014年の方針については、現在各地でセミナーとワークショップを開催して説明しているところだが、基本的には従来の路線を踏襲し、深化させていく考え。ただし、3本柱それぞれでターゲットを明確化した活動をおこなうほか、オンライン分野での新しい誘客や、旅行会社、消費者、メディアを一体的に巻き込むイベントの開催も計画している。