成田、国際線近距離を強化、LCCに期待-中国内陸も
成田国際空港(NAA)代表取締役社長の夏目誠氏はこのほど、本誌インタビューに応え、中期経営計画で掲げた4000キロメートル未満の近距離国際線と国内線の拡充のため、LCCへの取り組みを強化したい考えを示した。成田の混雑時間帯以外のスロットについて、航空会社に近距離路線や国内線での活用を促すことで、発着回数の増加をめざす。また、2014年度末に完成予定のLCC専用ターミナルなど、LCC用の設備の増強もはかる。
夏目氏は「(4000キロメートル内は)LCCの守備範囲であり、この部分の拡充についてはLCCへの期待は大きい」とし、LCCの就航に期待を示す。とくに近距離国際線で、現在成田から就航していない中国内陸部の各都市への就航を働きかけていきたい考え。日系LCCに加え、中国のLCCなど、幅広くターゲットに活動をおこなっていく。
中国については、尖閣問題などで日中間の国交問題などの影響もあり、新規就航は難しいのが現状だ。夏目氏は「(中国路線は)魅力的な路線が多い。少し時間がかかるだろうが、日中関係の正常化が成れば、中国内陸部の主要都市との路線が開設されるのでは」と期待を語った。NAAが競合と考える仁川空港と比較すると「成田は見劣りする」ことから、「チャレンジしないといけない」という。
さらに、ベトナムのダナンやサイパンのロタ、航空局の制限緩和次第ではあるがフィリピンのダバオ、クラークなどについても就航を働きかけるとともに、既存路線の増便についても働きかけをおこなっていく。
一方、国内線については、新規就航や増便で地方からの乗継需要の増加をめざす。夏目氏は「成田は同一ターミナルで国際線と国内線の乗継が可能だということをもっとアピールしていきたい」と語った。
※インタビューの詳細は後日掲載予定
※訂正案内(編集部 2013年9月9日14時40分)
・訂正箇所:1段落第3文
誤:また、2014年末にLCC専用ターミナルの共用を開始するなど・・・
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正:また、2014年度末に完成予定のLCC専用ターミナルなど・・・