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カナダ、王道のナイアガラと生まれ変わるトロントで新しい旅の形を

  • 2013年7月18日

ワイナリーで楽しむアイスワインの魅力

Chateau des Charmesでワインテイスティング フォールズビュー地区にはホテルやエンターテイメントも充実しているが、参加した旅行会社の北米担当者からは「ナイアガラ・フォールズは一生に一度はと思うデスティネーションだが、ずっと滝ばかり眺めていても飽きてしまう」という声もあった。そのなかで、ツアーにアクセントをつけ、滞在を伸ばす手段として「ナイアガラ・オン・ザ・レイクのワイナリーの存在は貴重」という意見も聞かれる。

日本語堪能なドミニク氏にワインの基礎知識を教えてもらう ベラショワ氏によると、最近では日本人旅行者の間でもナイアガラのワイナリーとアイスワインの知名度が上がってきたといい、「ワイナリーがツアーに組み込まれれば、滞在時間も増えるのではないか」と期待を示す。

 数あるワイナリーのなかでも「Chateau des Charmes」は日本人スタッフが常駐するなど日本人観光客の受け入れに積極的だ。ここでは14種類のぶどうが栽培され、30種類のワインが醸造されている。ワイナリーツアーには醸造過程の見学のほか、ワインテイスティングも含まれる。最も人気なのは氷結したぶどうから造られるアイスワインだそうだ。日本マーケットでは、「食」をキーワードにできるデスティネーションは強い。同社グループツアー/FITプログラム・マネージャーのデブロア・ドミニク氏は「日本でもナイアガラ=アイスワインというイメージがもっと広がってほしい」と話す。


トロントで足を止めさせる個性的な観光素材

トロントのランドマークCNタワーは相変わらずの人気 ナイアガラ・フォールズのゲートウェイといえば、トロントだ。2015年のパンアメリカン・ゲームズに向けて都市開発が進行中で、空港と市内を25分で結ぶ新しいレールウェイも整備される予定。最近では、リッツ・カールトンやシャングリラなど5ツ星ホテルが続々とオープンし、都市に泊まる楽しさも随分とアップグレードしてきた。

 しかし、「日本からのツアーの多くはトロントに到着後、すぐにナイアガラに向かってしまう。トロントに滞在させる工夫が必要」とトロント観光局の鈴木正城氏は課題を口にする。ある旅行会社からは「メイプル街道で売る場合、トロントは帰国日に半日観光だけで終わってしまうこともある。また、9月と10月に需要が集中するのも課題」という声もあがった。

開発が進むトロント。数年後には街の表情も変わるだろう ファムツアーでは、トロントが持つ都市観光としての潜在力を探った。見えてきたのは、トロントでしか体験できない素材が意外に多いこと。定番のCNタワーも、かつては高さ世界一からの眺めが売りだったが、現在ではハーネスを装着して展望エリアの外側を歩く「エッジウォーク」がスリリングな空中散歩として話題を集めている。

セント・ローレンス・マーケットはお土産探しにも絶好の場所 また、トロント市民の台所「セント・ローレンス・マーケット」は歩いているだけでも楽しいところ。1803年にオープンした由緒ある建物のなかには、地元産のさまざまな食材やメイプルシロップなどお土産に最適なアイテムも並び、デリやレストランも多い。日本のデパ地下のように試食が充実しており、観光客や地元市民で賑わう。

ディスティラリー地区には個性的なショップが立ち並ぶ 一方、1832年に建てられたウィスキー蒸溜所を改装して整備された「ディスティラリー地区」は、アーティスティックな商業コンプレックスとして人気上昇中。多彩なショップやレストランがそろい、チョコレートのSOMAやコーヒービールが珍しいミル・ストリート・ブリュワリーなどは行列ができるほどの人気だ。「両方とも入場料がいらないので、自由時間の使い方として喜ばれるだろう」と旅行会社からの評価も高かった。