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南アフリカ、日本の成長可能性を重視、アジア全体で増加へ-INDABA2013

  • 2013年6月13日
来場者を出迎える笑顔。会場の入り口から南アフリカのホスピタリティを感じる

 2012年に南アフリカを訪れた外国人旅行者は、前年比10.2%増の918万8368人で全世界の旅行者数の伸び率を2倍以上、上回る結果となった。そのうち日本人旅行者数は30.9%増の3万4415人で、過去最高を記録。2013年1月は62.8%増の2713人となり、さらに勢いを増している。市場は小さいものの南アフリカ観光局は日本に支局を置き、重要市場として今後のさらなる増加に期待している。5月11日から14日に開催されたトラベル・トレードショー「INDABA(インダバ)2013」のレポートとともに、南アフリカの観光施策と日本市場への方針をまとめた。


2012年は世界成長を上回る推移
ワールドカップと継続した観光施策の成果

南アフリカ共和国観光大臣のマルティナス・ファン・スカウクフェイク氏

 インダバ2013のオープニング・セレモニーで、南アフリカ共和国観光大臣のマルティナス・ファン・スカウクフェイク氏は、2012年の南アフリカ訪問者数に触れ「成長を続けるため、多様なブランディングやマーケティング活動を行ってきた」と、観光施策の成果を強調した。

南アフリカ共和国観光副大臣のトコジレ・カーサ氏(右)と貿易産業副大臣のエリザベス・テベーテ氏(左)

 例えばブランディングでは昨年、ナショナル・ジオグラフィックやCNNインターナショナルなどのテレビを通して10億人以上の消費者にリーチしたほか、動画やバナー、テキスト広告は11億回以上再生された。国内外のメディアによるデスティネーション取材では、46億ランド(約460億円)を超える効果があったとする。

 また、2010年のFIFAワールドカップの成功も堅調な要因の一つだ。会期中に実施したインタビューで、観光副大臣のトコジレ・カーサ氏と貿易産業副大臣のエリザベス・テベーテ氏が、ワールドカップ開催にあわせインフラ整備やシステム開発、治安維持対策を行なってきたことを説明。こうした南アフリカの姿がワールドカップを機に世界に発信されたことで、「質の高いサービスや多様性、友好的な国民性を知ってもらうきっかけになった。治安維持対策でも世界の見方を変えた」(カーサ観光副大臣)という。

オープニング・セレモニーではスピーチの合間に、南アフリカらしい音楽とダンスのステージも。最後は席を立ってリズムに乗る参加者も多く、南アフリカのパワーを感じさせた

 さらにスカウクフェイク観光大臣は今後、地域別マーケティングにおいて、アフリカ地域とアメリカ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパの各地で「グローバル・ハブ戦略」を開始することを発表。そのため今年、南アフリカ観光局の海外支局をブラジル、アンゴラ、ケニア、ナイジェリアに開局し、14拠点に拡大するほか、韓国、ロシア、スカンジナビア、ウガンダなども重要市場とし、観光業界とのパートナーシップとマーケティング活動を拡張する計画を立てている。

 また、国内観光も「キーコンポーネント」として力を入れる。南アフリカの旅行者の4分の3が南アフリカ国民であり、2011年のGDPに1010億ランド(約1兆100億円)の貢献があったという。スカウクフェイク観光大臣は「南アフリカの人々に旅行を楽しむ文化を推進することは重要な戦略の一つ」と述べ、観光開発や雇用創出を視野に入れた国内旅行の振興にも積極的に投資する考えを示した。

>>次は、日本市場に対する方針