成田、2年ぶり増収増益-LCC牽引、13年度もさらに拡大へ
▽2013年度も増収増益、LCCシェアがますます拡大
NAAでは、2013年度の業績について2期連続のプラス成長と純利益の過去最高更新を見通しており、営業収益は2012年度比1.6%増の1923億円、営業利益は4.2%増の362億円、経常利益は6.3%増の293億円、当期純利益は7.7%増の165億円を予想する。
この予想についてもLCCの効果が出ており、旅客数の見込みは5.3%増の3522万人で、国際線は3.3%増の3069万人だが、国内線では21.7%増の453万人。発着回数も全体が8.8%増の23万1000回で国際線が7.4%増の18万6000回、国内線が15.0%増の4万5000回でいずれも過去最高を超える見通し。
夏目氏は、LCC以外でもオープンスカイによる新規就航、増便が想定されるとしつつ、「発着回数の伸びの多くはLCC(※)によるもの」と説明。旅客便の発着回数に占めるLCCのシェアは国際線で2012年度が2.7%であったが、2013年度は7%程度を予想。
さらに国内線は23.6%から36%程度に拡大し、3本に1本はLCCという状況に。これにより、総発着回数に占めるLCCのシェアは6.1%から12%程度となり、ほぼ倍となる。ただし、小型機を用いるLCCにより国内線旅客が増加することから、1機あたりの収益は減少することになるという。
なお、2013年度はNAAにとって新中期経営計画の初年度となるが、夏目氏は「3大アライアンスやLCCの拠点化に向けてあらゆる施策に取り組んでいく」と強調。羽田空港の国際線増枠も2014年に控えているが、「オープンスカイ、B787運航再開、LCCの成長などにより可能な限り収益と利益を上げて、体力の強化につとめたい」考えだ。
※NAAではイースター航空(ZE)、エアアジア・ジャパン(JW)、エアプサン(BX)、スクート(TZ)、ジェットスター航空(JQ)、ジェットスター・ジャパン(GK)をLCCとして分類している