現地レポート:エアーズロックとケアンズのMICE-人気の観光地を活用
世界遺産の誘客力と知名度いかし
MICEのプラスアルファを引き出す企画を
エアーズロック、ケアンズのホテル、コンベンション施設
MICE向けの新プロダクトも誕生
エアーズロック・リゾートは昨年10月、「ウルル・ミーティング・プレイス」をオープン。プリファンクションエリアを挟むように、最大420名と306名の2つの宴会場があり、Wifi利用も可能だ。エアーズロック・リゾートでは本格的な施設の誕生を機に、日本市場でのMICE誘致を開始するという。
リゾート内のホテルはクラスの異なる3軒がある。中間の4.5ツ星の「デザート・ガーデン・ホテル」は、「エアーズロック・ビュー」の客室がリゾート内で最多の19室あり、5ツ星の「セイルズ・イン・ザ・デザート」に次いでMICE開催が多い。また、リゾートエリアから5分ほど離れた場所には、15棟のテントからなるラグジュアリーな「ロンギチュード131°」がある。客層にあわせて滞在先を別に手配することも可能だ。
一方、ケアンズで参加者が注目したのは、「ケアンズ・コンベンション・センター」だ。最大5000名と2330名の2つの大ホールと6つのコンファレンス・ルーム、9つの会議室からなり、収容力と機能性はもちろん、木目を基調にしたケアンズらしいデザインにも参加者は好印象を抱いていた。食事もおいしく、会議からイベントまで一ヶ所で完結することも可能だ。
ビジネス・イベント・ケアンズ&グレートバリアリーフではこのほか、市内の公園「フォーガティパーク」などユニークベニューも積極的に開発している。もちろん、プルマン、シャングリ・ラ、ヒルトンといったホテルにも会議室や宴会場が整い、イベントができるスペースも多い。ケアンズでは4000人の団体を1000人単位で受け入れた実績もあるといい、幅広いアレンジができそうだ。
エアーズロックとケアンズでは雰囲気が大きく異なるが、自然保護に力を入れ、先住民の文化を尊重して観光サービスを行なっている点は共通だ。エシカルな風潮が広がる現在は、切り口の一つになるかもしれない。もう一つ、日本人や日本語が話せるセールス担当者が多いことも同様だ。
今回は一般のツアーで訪れる観光地の視察がメインであったが、「(MICEが)できる素材は多くあった」という感想が聞かれた。ぜひ現地担当者と積極的にコンタクトを取り、デスティネーションの力とオーガナイザーの意向を組み合わせて、特別な体験になるような企画を作り出してほしい。
取材:山田紀子