現地レポート:エアーズロックとケアンズのMICE-人気の観光地を活用
世界遺産の誘客力と知名度いかし
MICEのプラスアルファを引き出す企画を
2つの世界遺産を基盤に多彩な可能性
ケアンズとポートダグラス
ケアンズに移動すると、市街の賑やかさと豊かな緑に驚く。ケアンズも世界遺産の熱帯雨林(クイーンズランド州湿潤熱帯地域)とグレートバリアリーフを軸にした自然の体験型アクティビティが多いが、エアーズロックとは内容も雰囲気も全く異なる。
たとえば、「レインフォレステーション・ネイチャーパーク」は自然、ワイルドライフ、アボリジニ文化の3テーマで構成するテーマパーク。営業時間後には貸切が可能で、水陸両用車のアーミーダックで夜の熱帯雨林を行く特別ツアーもできる。日本からは400人程の団体が多いが、最大2000人まで受入可能。最近もニュージーランドの約2000人の団体に専用のパーク営業と団体用レストランで夏祭り風屋台のアレンジを行ない、賑わったという。スカイレールで熱帯雨林を眺めながらキュランダへ行き、レインフォレステーションでのイベントに移るという日程が組めそうだ。
また、ケアンズから40キロ北にある「ハートリースクロコダイルアドベンチャーズ」も、営業時間後の貸切が可能。世界最大級のイリエワニをボートクルーズで探しながら鑑賞し、餌付けショーも見られる。ニシキヘビや子ワニとの写真撮影やカエルを吹き戻しで追いながらゴールに導くゲームなど、爬虫類とのユニークな触れ合いも可能だ。
ケアンズの北70キロにあるポートダグラスも、雰囲気のある大人向けのリゾート施設がそろい、MICEの可能性が高い。この近郊のモスマン渓谷に昨年6月、「モスマンゴージセンター」が誕生。土地を所有するアボリジニ、ヤランジ族がオーナーで、運営はボヤージズが担当。世界遺産と同じ熱帯雨林が広がる渓谷を、アボリジニのガイドが伝統的な生活スタイルを紹介しながら歩くツアーを行なっており、日本語の案内を作成しているところだという。
もう一つの世界遺産、グレートバリアリーフではポンツーンの貸切ができる。今回はポートダグラス発のクイックシルバーを利用。ケアンズ/ポートダグラス間はヘリコプター飛行も可能で、熱帯雨林やグレートバリアリーフに続く海を見ながらの空中散歩は、30分ながら特別感を感じられる体験となった。今回利用したgbrヘリコプターズはグレートバリアリーフのポンツーンへの送迎も行なっており、クルーズ会社とともに往路はヘリコプター、復路はクルーズというコンビネーションも実施している。