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富裕層旅行、学習体験で満足度向上へ-若手需要の増加も

  • 2013年4月9日

 3月11日から13日にかけて京都で開催された、富裕層向けの旅行商談会「ILTM Japan(インターナショナル・ラグジュアリー・トラベル・マーケット・ジャパン)」では、日本人富裕層の海外旅行をテーマにセミナーが開催された。日本の富裕層は世界第2位の市場であるといい、ILTM主催社であるリードトラベルエキシビジョンズ代表取締役社長のリチャード・モルティモア氏も「日本は大きなポテンシャルを持っている」と期待。旅行会社が富裕層向けの専門店舗を開設するなど富裕層の旅行に注目が集まる中、富裕層旅行の傾向と、今後取扱を拡大する上でのヒントについて、ILTMのセミナーやパネリストへのインタビューから探った。


モデレーター
株式会社フレア代表取締役 岡部昭子氏

パネリスト
ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド日本支社長 渡部恭士氏
インターナショナル・クルーズ・マーケティング代表取締役 中川節子氏
ラグジュアリー・トラベル・アドバイザー 西口卓雄氏


日本の富裕層、12年で約360万人
30代から40代の「若手」富裕層の需要増も

フレア代表取締役の岡部昭子氏 一口に富裕層といっても、その種類はさまざまで明確な定義はされていないのが現状。1つの指標として、スイスの大手金融会社「クレディ・スイス」は100万ドルの純資産を持つ者を「富裕層」と位置づけてランキングを実施。日本の富裕層は2012年10月の調査で約360万人といい、米国に次ぐ第2位の規模を示している。

 一方、モデレーターでフレア代表取締役の岡部昭子氏によると、年齢層別で分けた場合、シニア層からなる従来の富裕層と、30代から40代で弁護士や医者、IT企業経営者といった新しい若手の富裕層に分類できる。同氏によると、近年若手の需要は増加傾向にあるといい、例えば30代後半の旅行者が2000万円を費やしプライベートジェットを利用し、モナコでF1を楽しむといった旅行も出てきているとした。

 また、インターナショナル・クルーズ・マーケティング(ICM)代表取締役の中川節子氏は、ICMで日本地区販売代理店を担当しているシルバーシー・クルーズを例に、富裕層の旅行の傾向を説明。同クルーズの利用者の大多数を占めるという60歳以上のシニア富裕層はFAXや電話でコミュニケーションを取り、地中海クルーズのようなレジャークルーズを好む。一方、若手富裕層はインターネットで情報を収集し、南極やペルーなどの探検クルーズなどを求めており、こうした需要が近年高まってきているという。