海外旅行業況、回復基調へ-アジア、韓国、中国上昇、3ヶ月後も継続
▽4月から6月は回復継続、景気回復で商用・視察やインセンティブに期待
4月から6月については回復傾向が続くとの見通しで、全体の動向では8ポイント増のマイナス16を予想する。業態別ではすべての業態でプラス成長する見込みで、リテーラー1は21ポイント増のマイナス12まで、総合旅行会社も15ポイント増のマイナス6まで回復。海外旅行系旅行会社とインハウスは13ポイント増加し、それぞれマイナス12、マイナス2となった。
方面別では、ハワイ、オセアニア、ミクロネシアが2期連続で落ち込んだが、韓国や中国、ヨーロッパ、アジア、アメリカ・カナダは増加。韓国は11ポイント増、中国は6ポイント増となり、回復傾向が継続する見込みだ。ただし、中国については国交問題に加え、PM2.5による大気汚染問題の影響もあり、旅行会社からは影響が長引くのではと懸念する声も出ている。
顧客層別では、景気回復に合わせてビジネス需要がプラスとなる見通しで、商用・視察は8ポイント増、インセンティブが5ポイント増となった。また、シニアが8ポイント増、OLが5ポイント増となっており、これら4項目が2期連続の増加となった。学生は春休みが終了したこともあり、13ポイント減と2ケタ減となった。
なお、国内旅行は3ヶ月前から9ポイント減のマイナス16と減少するも、当初予想のマイナス18を2ポイント上回った。旅行会社からは1月から3月は旅行需要喚起の大きな要素がないという声や、東北地方を中心に厳しい状況との意見もあったが、スキーツアーに関しては好調との指摘もあった。3ヶ月後については回復する見込みで、11ポイント増のマイナス5となる予想。東京ディズニーランド30周年や伊勢神宮の式年遷宮による伸びが期待されているという。
※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取り扱っていない」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。JATA調査では、JATA会員会社の経営者などに対してインターネットでアンケートを実施し、業態、顧客層、方面別に業況判断をDI値を導出している。今回は設定数592社のうち、315社から回答があった。