JATA、ツアー登山ガイドラインに海外分追加、自主点検表配布も
▽海外はランドオペレーターの決定、実地踏査の注意点など15ヶ所を追加
海外企画関連では15ヶ所を追加。企画立案段階でのコース内容の把握、ガイドなどの適切な外部委託の実施、募集段階での消費者に対する適切な情報提供や危険の告知・表記方法、危急時対応、適切な保険への加入などについて加えた。
企画立案段階におけるコース内容の把握では、企画会社として目的地の知識は当然保有しているという前提のもと、現地ランドオペレーターの選定の際は当該コースにより詳しく、深い知識があることを確認すべきとした。
また、ツアーの実地踏査は企画実施時期に対応して実施し、海外の距離的問題や費用対効果から現地ランドオペレーターに踏査をまかせる場合であっても、企画会社で踏査方法や結果について十分に把握した上、現地ランドオペレーターに対し主体的に指示すべきとした。実地踏査をおこなうスタッフについても、実地状況を的確に判断できる能力を有していなければならないとした。
さらに、ガイドの外部委託については、諸外国における登山・ハイキングガイドの資格制度は国ごとに異なるため、一概に規定できないとしながらも、当該地域の規則や制度に精通した現地ランドオペレーターの協力を経て、十分に事前調査するべきと記述。欧州や北米の例を説明した。
募集段階での消費者に対する適切な情報提供や危険の告知、表記方法については、高所に滞在する日程の場合、高度障害全般に関する注意喚起をおこなうこととした。また、「ツアー内容の適切な案内」の項目でも高度障害の危険性を留意すべき注意点としてあげたほか、連日の歩行時間などを加え、コースのレベルをわかりやすく表示することとした。
危急時対応では、国内で利用できる無線機、衛星携帯電話などの通信機材が海外では使用が制限され、違法となる場合もあるとし、留意するよう呼びかけた。また、「最終的な方法は人による伝令である」ことから、人的レベルでの緊急連絡体制は関係者間で常に維持する状態が望ましいとした。このほか、海外の辺境地や高所における山岳地帯での行動の際、傷病などによる緊急医療搬送は膨大な費用がかかることから、適切な保険の加入の必要性も指摘した。
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