1月の出国者数は2.5%増の136万人、5ヶ月ぶりに増加-訪日は2.4%減
日本政府観光局(JNTO)によると、2013年1月の日本人出国者数は前年比2.5%増の136万4000人となった。出国者数は尖閣・竹島問題の影響などで2012年9月から前年を下回っていたが、今回5ヶ月ぶりに前年を上回る結果となった。
観光庁長官の井手憲文氏は2月19日に開催した定例会見で「(観光は)イン、アウト双方向のもの。外国に行くことが増えることは大歓迎」と喜びを示した。ただし、中国への渡航者数については減少しており「中国団体客が日本に来る割合以上に減少率は高い」という。今後は中国側とイベントなどを通し、双方向の観光促進をはかる考えだ。
2月9日には日中平和友好条約締結35周年記念イベント「美麗中国・歓楽春節 春節祭in富士山2013」を実施。日中両国の連携イベントは昨秋以降初めてで、井出氏は中国駐日本特命全権大使の程永華氏とともにイベントに出席。「(両国間は)観光の面では問題ないという一種のアピールにはなったのでは」という。
一方、訪日外客数は2.4%減の66万8700人となり、前年を下回った。国別では、韓国は35.2%増の23万4500人と増加。井出氏は「調子が戻ってきている」と喜びを示した。今年は日韓地方観光交流元年であることから、姉妹都市や姉妹校同士の交流などを検討し、日韓共同で双方向の観光促進をはかっていく。
中国は47.6%減の7万2500人、台湾は11.6%減の11万1300人、香港は35.6%減の3万1200人と減少した。井出氏は春節の時期が昨年の1月下旬から今年は2月に移動したことで、中国語圏や華僑系の訪日旅行者が多いシンガポール(21.0%減、7100人)やマレーシア(14.6%減、7600人)の減少に影響したとし、「中国系の減少を除けば、1月の状況は良い」とコメント。ただし、中国については春節に加え、尖閣問題の影響による中国人団体旅行の減少が続いていると懸念を示した。
好調だったのは東南アジアで、タイ(33%増、1万6100人)、インドネシア(30.3%増、6700人)、ベトナム(38.1%増、5000人)となった。また、スキー旅行需要の拡大により、豪州は42.6%増の3万1700人と増加した。
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