年頭所感、ニーズに応える商品力、変化へ意欲も-大手各社トップ
大手旅行会社のトップが年頭所感、年頭挨拶を発表した。2012年は尖閣・竹島問題などもありながら出国者数が過去最高を更新する見込みとなるなど、各社にとっては概ね順調な環境であったが、2013年については世界経済や社会情勢、異業種を含めた競争激化が予想される。また、日系LCCの就航などを含めて、サプライヤーとの関係も変化してきているところ。こうした環境下で、各社トップからは消費者のニーズを的確につかむ商品開発の必要性とともに、新たな変化への意欲も示された。
▽ジェイティービー
代表取締役社長 田川博己氏
当社は昨年3月12日に100周年を迎え、新たな世紀のスタートを切った。堅調な個人消費と経営構造改革などにより、2012年の業績は順調に推移した。
一方、2013年は国内外とも厳しい景況感、賃金の大きな伸びが期待できない中での家計消費支出の選別、同業・異業種企業との競合激化など先行きは不透明。昨年のロンドン・オリンピックや東京スカイツリーの開業など追い風となる大型イベントも少なく、楽観的な見通しは許されない。
しかし、伊勢神宮の式年遷宮、出雲の本殿遷座祭、歴史ドラマの舞台となる京都・会津、新商業施設が開業する大阪、東京の新・歌舞伎座こけら落としなど注目されるべき観光素材は多々ある。
また、内閣府調査では家計消費支出でレジャー支出の割合がさらに増えると想定され、加えて週末の3連休が昨年よりも増加すること、LCCの国内外路線拡大、65歳以上の完全退職者増加などによる国内・海外旅行に対する前向きな消費意欲は継続すると思われる。さらに、訪日旅行も徐々に回復の傾向が見られる。
ツーリズム産業に関わる私たちはこの環境をしっかりと受け止め、互いに協力しあい、さらに官民一体を推進して業界を盛り上げていく必要がある。
当社グループは<地球を舞台にあらゆる交流を創造する>という「交流文化事業」への深化をめざしている。アジアを中心としたグローバル人流が拡大し、国策としての観光振興に期待が高まる中、「交流文化事業」の推進は、ツーリズム産業の発展と、地域社会や日本全体の活性化に微力ながら貢献するものと考える。
JTBグループが掲げるブランドスローガン「感動のそばに、いつも。」(Perfect moments, always)は、これからの100年もお客様に感動と喜びをご提供し続けることをお約束したもの。その実践のために努力を続けていく。
▽エイチ・アイ・エス
代表取締役社長 平林朗氏
昨年は、国内外でLCCが存在感を増し、お客様にとっては価格、サービスなど選択肢の幅がさらに広がるなど旅行需要を後押しした。海外旅行市場ではアジアとの外交問題など懸念事項は生じたものの、増便などにより航空座席供給数が拡大し、停滞気味だった出国者数が過去最高を更新する勢いを見せるなど、今後の更なる市場の成長が期待される年だった。当社においても、日本国内ツーリズムの発展に微力ながら寄与したく、国内旅行の全店販売など新たなスタートを切った年でもあった。
2013年は、アジアにおける国際情勢や為替の動きなど引き続き不透明な環境ではあるが、アジアでは経済成長を背景に、旅行人口はますます増加するだろう。日本発の出国者数もさらに増加すると見込まれている。
当社では、拡大するアジア大航海時代に向け、新たなチャレンジとして国際チャーター専門航空会社の設立を決意した。お客様が求める旅行をまずは確実に提供できること。それが私どもの使命と信じ、日本だけでなく、アジアを中心とした世界の旅行者のために、新しいビジネスモデルの航空会社をめざす。この航空会社設立をはじめとして、本年も世界約400の拠点において、世界のお客様に喜んでいただける旅の提供のために、HISらしくチャレンジをしていく。
グループ会社であるハウステンボスについては、現在開催中の「光の王国」がいよいよ1000万球となり、年初から第二章「光と炎の王国」へと変化し、今後、第三章「光と炎の闇の王国」へとさらに発展させていく。そして春、ハウステンボスに花の咲き乱れる美しい季節を始めとし、本年も訪れる度に新たな感動を感じていただけるテーマパークとして、より喜んでいただける施策でお客様をお迎えする。
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