オーストリア航空、新座席導入、日本など長距離路線に-13年夏から
オーストリア航空(OS)は日本を含む長距離路線で、新しいビジネスクラスとエコノミークラスを導入する。対象となるのはボーイングB777型機4機と、B767型機6機。今年の11月から順次導入を開始し、2013年4月に完了する計画だ。OS日本・韓国支社長の村上昌雄氏によると、日本路線では12月から新座席を搭載した機材を順次導入。最初は1週間から2週間に1回の割合となる見込みで、13年の夏スケジュールから全便が新シートに切り替わる予定だ。
11月27日の業界向けセミナーでは、村上氏が新シートを紹介。ビジネスクラスには最長2メートルの180度フルフラットシートを導入。シートピッチは111.8センチ、シート幅は51センチで、アームレストを収納すると約60センチまで拡張できる。シートにはエアークッションシステムを搭載しており、シートの硬さを調整可能だ。また、シートベルトは長距離の着用に負担が少ないよう、レザーカバーをつけた。
そのほか、読書灯やPC用の電源、USBパワーチャージも設置。収納スペースにもこだわり、シューズボックス、ドリンクホルダー、小物入れ、ラップトップやタブレット入れも用意した。さらに、客室乗務員によるターンダウンサービスもおこなう。シート数は現在の49席から1席減の48席とし、1-2-1の列と2-2-2の列を交互に設置。80%の座席が通路へ直接アクセスできるようにした。
エコノミークラスは薄型の軽量シートを導入。シートピッチは76.2センチから81.3センチ、シート幅はアームレスト内側が46.4センチ、座面クッションが49センチ。ヘッドレストは上下可動式で、両端は角度調整が可能だ。リクライニング時は座面が前に数センチスライドする形を取る。
また、両クラスで機内エンターテイメント設備を刷新。タッチスクリーン式で、ビジネスクラスは15インチ、エコノミークラスは9インチの高画質デジタルディスプレイを導入する。
村上氏によると、今後は業界向け、消費者向けのプロモーションを実施。ブレイクダンスチーム「Flying Steps」をキービジュアルとし、写真や映像でのイメージの訴求をめざす計画だ。
業界向けには今回のセミナーを皮切りに、セールスツールの配布やウェブサイト上での告知をおこない、新座席の認知向上と販売促進をはかる。村上氏によると、日本市場の80%以上が旅行会社経由となっており、「この比率を変更することはない」と旅行会社重視の姿勢を示した。一方、消費者向けには2月からプロモーションを開始。首都圏を中心とした交通広告の実施や、インターネットを活用した広告活動を展開していく。
なお、OSによると、1月から10月のロードファクターは89%と好調に推移。村上氏は「当初の目標数値を達成しており、2010年比も超えている」と喜びを示した。新シートの導入により、更なる利用者数の増加をはかる考えだ。