関空、路線増へ着陸料など負担軽減-中期戦略、LCC強化で新施設も

  • 2012年10月25日

▽LCC対策強化、新ターミナルも-フルサービスキャリア、アジア路線強化

 旅客ネットワークでは、LCC対策を強化。中国やアジア諸国のLCCを中心に国際線の就航を働きかけ、2014年夏には国際線のLCCのシェアを、12年夏の14.4%から25%まで拡大する計画だ。安藤氏は、アジアのLCCから就航を希望する声があがっていると紹介。例えば、8月に日中間で段階的オープンスカイが合意されたこともあり、日中間の国交問題もあるものの、将来的には関空/中国間の新路線就航に期待できるとした。

 設備面では、10月28日から供用を開始するLCC専用ターミナルに加え、2つ目のLCC専用ターミナルを新設。100億円規模の予算を費やし、早ければ2013年度に着工、2015年度に供用を開始する計画だ。規模は1つ目と同程度となる見込みだが、LCCの需要に合わせ、将来的に拡張可能な形で建設するという。

 また、フルサービスキャリアについてもネットワークの拡充をはかる。まずはインドやミャンマー、ジャカルタなどのアジア主要都市への路線開設や増便を働きかけていく。安藤氏は「首都圏空港よりアジアに1時間近いという優位性をいかに売り、アジアの市場を引っ張ってくるか」が重要と述べた。東北や四国などの地方発関空経由のアジア旅行など、乗り継ぎ需要の取り込みをはかりたい考えだ。

 一方、欧米長距離路線については「ビジネス需要も多い羽田や成田には今はとても勝てない」と見る。ただし、乗り継ぎ需要にはチャンスがあるとの考えで、ロンドンやロサンゼルスなど、日系航空会社に就航を働きかけていく方針だ。こうした取り組みを通し、2014年度の輸送量として、発着回数30.5万回、旅客数3300万人をめざしていく。

次ページ>>>空港間のアクセス改善、ターミナルビルの改装も